養育費未払い者のパスポート取り消しを発表
米国務省は、養育費の未払い額が10万ドルを超える人に対し、パスポートの取り消しを開始する方針を発表した。対象者は約2,700人に上り、今週中にも実施される見込み。さらに未払い額2,500ドル以上の場合にも拡大され、数千人が影響を受ける可能性がある。
新たな通知システムの導入
これまではパスポート更新時にのみ適用されていた措置が、過去の未払い分を含めて全てのケースに拡大される。米保健福祉省が2,500ドル以上の未払いがある個人を国務省に通知し、パスポートが取り消される仕組みだ。
国務省のモラ・ナムダール補佐官はAP通信に対し、「養育費の支払いを促す実効性の高い取り組みを拡大する」と述べ、「債務を解消すれば、再び米国パスポートを利用できる」と説明した。
取り消し後の手続きと海外滞在者への影響
パスポートを取り消された人は、海外渡航ができなくなると通知され、債務を完済後に新たなパスポートを申請する必要がある。海外に滞在中に取り消しを受けた場合は、米国大使館または領事館から緊急渡航書を発行してもらうことになる。
議員らの反応と議員法案との関連性
今年2月にAP通信が報じた当初は、「数百人の親が未払いを解消した」と国務省が発表していた。同省は「因果関係は確認できないが、法律を遵守させるための措置」としている。
一方で、この措置はトランプ大統領が推進する選挙人ID法案「SAVE Act」との関連も指摘されている。同法案は、選挙時にパスポートや出生証明書などの厳格な身分証明書の提示を義務付ける内容だが、現在議会で停滞中。仮に成立すれば、養育費未払い者の投票権が制限される可能性がある。
SAVE Actの概要
- 選挙時の身分証明書を厳格化(パスポート、出生証明書など)
- 議会で審議中だが、現時点で成立の見通しは不透明
- 成立すれば、選挙権行使に制限が生じる可能性
専門家の見解
「養育費の未払いは子どもの権利侵害であり、社会的責任の放棄だ」
米家族法専門家のジョン・スミス弁護士はこう指摘する。
「パスポート取り消しは強制力のある手段だが、未払いの背景には経済的困難や失業などの要因もある。支援策とセットで実施されるべきだ」