米国の世論調査会社リード・イプソス(Reuters/Ipsos)が発表した最新の調査によると、米国民の6割以上が、トランプ政権がイランとの戦争の目的を明確に説明していないと考えていることが分かった。

同調査では、ガソリン価格の上昇がペルシャ湾における戦闘の影響によるものだと指摘され、その責任を共和党に帰する米国民も6割に上った。この結果は、米国民の多くが戦争開始に反対し、その展開方法にも不満を抱いていることを示している。

トランプ政権の戦争戦略と世論の乖離

トランプ政権は4月中旬に米国とイランが停戦に合意した後、戦争の時計がリセットされたとして、議会が戦争権限法に基づく発言権を失ったと主張した。また、ベネズエラでの政権交代が短期間で成功したことを受け、トランプ大統領は公の場でも非公の場でも、この戦争は「週末で終わる」ものだと発言していた。

しかし、停戦後も戦争は低強度の紛争に移行し、ホルムズ海峡では双方の攻撃が続いている。トランプ大統領は先月、記者団に対し「急がせないでくれ。ベトナム戦争は18年、イラク戦争は長期間に及んだ。第二次世界大戦は4年半、朝鮮戦争は7年だった。私はたった6週間でこれをやっているんだ」と述べ、世論の判断を待つよう求めた。

「戦争の社会契約」の崩壊

リベラル系メディアも同様の見解を示しており、米誌「ジ・アトランティック」は、この戦争を「民主主義の不耐性と神権政治の苛烈な忍耐力の戦い」と評した。同誌のカリム・サジャドプール記者は、米国民が指導者に従わないことを非難する一方で、政府が戦争を正当化できていない点を指摘した。

長年にわたり、米国では「戦争の鷹派」と国民の間に暗黙の了解があった。鷹派は国民の意見を求めずに戦争を推進できる一方で、国民に大きな負担を強いることはなかった。しかし、イラン戦争では、鷹派がより大規模で負担の大きい戦争を推進しながら、従来と同じく受動的な国民の同意を求めた。これは、独裁国家でさえ採用しない戦争の進め方だ。

独裁国家との違い:戦争宣伝の重要性

独裁国家では、国民の支持を得るために徹底的な戦争宣伝が行われる。国民は選挙で指導者を退陣させることはできないが、政府は国民に犠牲を強いる際に十分な説明を求められる。国民の負担が大きすぎると、政権は深刻な結果に直面することになる。

米国の戦争遂行は、このような独裁国家の手法とは対照的に、国民の理解を得る努力が不足していた。その結果、米国民の不満が高まり、戦争の長期化が懸念される事態となっている。

出典: Reason