米国の企業は、最高裁判所が違法と判断した関税の返還申請を、月曜日より開始できるようになった。関税返還のオンラインポータルが稼働することで、政府は数十億ドル規模の支払いと利息の返還に向けた取り組みの第一段階に入る。

背景と経緯

最高裁は、国際経済緊急権法(IEEPA)に基づく関税の返還方法については言及していないが、先月には米国国際貿易裁判所が政府に対し、支払済みの関税と利息の返還手続きを開始するよう命じていた。

返還申請の仕組み

関税局(CBP)は、「CAPE(Consolidated Administration and Processing of Entries)」と呼ばれるオンラインポータルを、自動商務環境(ACE)システムを通じて稼働させる。企業は「CAPE申告書」を提出することで、IEEPAに基づく関税の返還申請を効率的に処理できるようになる。

返還を受けるためには、「記録保持輸入者(Importers of Record)」および認定通関業者がACEポータルにアカウントを作成し、銀行口座情報を登録する必要がある。申請から60~90日以内に返還される見込みだが、申請内容に不備がある場合は遅れる可能性がある。

対象となる企業は限定的

CBPの裁判所提出書類によると、33万社の輸入業者が3月4日までに計1,660億ドルの関税を支払っていた。しかし、4月9日までに返還対象となる5万6,500社のうち、電子決済登録を完了したのはごく一部にとどまる。さらに、第一段階の返還対象は「未精算の輸入品」や「精算日から80日以内の輸入品」に限定される。

消費者への影響は不透明

ニューヨーク連銀の調査によると、2023年11月時点で関税負担の90%は企業と消費者が負担していた。返還プロセスにより消費者が直接恩恵を受けるかは不明だが、フェデックスやコストコなど一部企業は顧客への補償を表明している。

今後の法廷闘争の可能性

コストコは昨年11月にトランプ大統領の関税を阻止し、支払済みの関税返還を求める訴訟を起こしており、複数の訴訟が統合される見込みだ。政府側が貿易裁判所の返還命令に対し控訴する可能性も残る。

関税局の対応

「CBPは貿易関係者向けにCAPEツールの使用方法に関するガイダンスを発行した。輸入業者と通関業者はCBPのウェブサイトでリソースと段階的な手順を確認できる」
— CBP報道官(日曜夜のメールより)

一方で、初日に大量の申請が殺到した場合のシステム障害や対応策について、CBPは直ちにコメントしなかった。

まとめ

最高裁が2月に大規模な関税を覆した後、財務長官スコット・ベッセント氏は、返還プロセスが円滑に進むとの見通しを示していた。しかし、対象企業の限定や申請手続きの複雑さ、さらなる法廷闘争の可能性など、依然として課題は多い。

出典: Axios