米連邦第11巡回控訴裁判所(本部:フロリダ州マイアミ)は11月10日、トランプ政権が導入した不法入国者に対するICE(移民・関税執行局)の強制収容政策を違法と判断し、棄却する判決を下した。
同政策は2020年から実施され、不法入国者は保釈の可能性なしに収容されることが義務付けられていた。これによりICEの収容者数は過去最高の7万人超に達したが、今回の判決で政策の法的根拠が否定された形だ。
判決の要点
判決文でスタンリー・マーカス判事は、「議会が定めた法律は、不法入国者に対し保釈なしの無制限な収容を認めていない」と明確に指摘した。また、「移民国籍法(INA)の条文、構造、歴史のいずれにおいても、そのような解釈は根拠を持たない」と強調した。
各裁判所の判断が分かれる
今回の判決は、連邦控訴裁判所における4つの判断のうち、2つが政府側を支持し、2つが反対、1つが棄権した状況に新たな一石を投じた。これにより、最終的に最高裁判所が同政策の合法性について審議する可能性が高まっている。
背景と影響
同政策は昨年の再解釈により導入された。それまで保釈が認められていたケースでも、不法入国者は原則として収容されることとなった。このため、ICE収容者数は急増し、今年初めには過去最高の7万人を超えた。
一方で、多くの移民が人身保護令状(ハベアス・コーパス)を申請し、裁判所はこれに対し次々と保釈を認める判断を下してきた。政治専門メディア「ポリティコ」の分析によると、連邦裁判所ではこれまでに数百件のハベアス・コーパス請求が却下されてきたという。
政府の反応
司法省は同日夕刻の取材に対し、コメントを控えた。
今後の展望
今回の判決により、最高裁が最終的に同政策の合法性を審議する可能性が高まった。関係者の間では、今後数カ月以内に最高裁が審理に着手する可能性が指摘されている。