米連邦第5巡回区控訴裁判所は8月5日、妊娠中絶薬ミフェプリストンの遠隔処方および郵送を認める連邦規則を一時的に凍結する判決を言い渡した。同薬は現在、全米の60%以上の妊娠中絶に使用されており、そのアクセスが制限されることで医療現場に大きな影響が及ぶ可能性がある。

今回の判決は、反中絶団体にとって大きな勝利と位置付けられている。同団体は過去、トランプ政権に対して対面処方の義務化を求めてきた経緯がある。ルイジアナ州は今回の訴訟で、連邦規則が同州の胎児保護法を侵害し、ミフェプリストンの副作用による緊急医療費を Medicaid が負担していると主張していた。

経緯の詳細

先週、連邦地方裁判所はミフェプリストンの郵送処方を継続するよう命じたが、米食品医薬品局(FDA)が同薬の安全性レビューを完了するまでの暫定措置であった。しかし、控訴裁判所はこれを覆し、連邦規則の効力を停止させた形だ。

関係者の反応

リプロダクティブ・ライツ擁護団体は、今回の判決が全国的な医療アクセスを制限すると懸念を示している。In Our Own VoiceのCEO、レジーナ・デイビス・モス氏は次のように述べた。「家族が住居費や食料費、保育費などの基本的な生活費に苦しむこの時期に、命を救う中絶薬へのアクセスを制限することは到底容認できません。対面処方の義務化は、患者にさらなる負担を強いるだけです。通院のための移動、仕事の休み、そして高額な費用——これらはすべて、現実的に負担しきれないものばかりです」

なお、2024年には最高裁がミフェプリストン規則に対する異議申し立てを却下しており、提訴した医師らに法的根拠がなかったと判断していた。

今後の展望

米国のリプロダクティブ・ヘルス研究機関であるガットマッハー研究所は、最高裁への緊急上訴の可能性が高いと指摘している。

出典: Axios