最高裁が新たな宗教権利訴訟を審理へ

米国最高裁判所は10月11日、宗教的自由を巡る新たな訴訟を審理することを決定した。この判決は、1990年の画期的な判例「Employment Division v. Smith」の見直しにつながる可能性がある。

コロラド州の規則が争点に

デンバー大司教区が運営する34の幼稚園を抱える同州では、州の公的資金を受け取るために、教会系幼稚園が同性カップルの子どもを受け入れることを義務付ける規則が導入されている。これに対し、大司教区は「同性愛関係やトランスジェンダーのアイデンティティを認めない」として、この規則は信教の自由を侵害すると主張。連邦裁判所に提訴していた。

1990年の判例が焦点に

「Employment Division v. Smith」は、オレゴン州が宗教的目的で使用された幻覚剤(ペヨーテ)の使用を理由に失業給付を拒否した事件で、最高裁が「一般的な法律は宗教的行為にも適用される」と判断したものだ。保守系判事3名は既にこの判例の見直しを求めていると報じられている。

教会側の主張と政府の支援

デンバー大司教区の代理人弁護士は、州が宗教学校に対し「宗教的実践を放棄するか、公的資金から排除されるか」の選択を迫っていると主張。トランプ政権もこの立場を支持し、司法省は「宗教の自由な行使の保護」と「政府資金受給者による差別禁止ルールの執行」の重要性を訴える法廷助言書を提出した。

コロラド州のLGBTQ保護政策への攻撃続く

この訴訟は、トランプ政権下でコロラド州のLGBTQ保護政策を巡る2度目の最高裁による審理となる。3月には、同州の「転向療法禁止法」を巡り、治療者が差別を受けたと主張する訴訟で、最高裁が治療者側に有利な判断を下した。ジャクソン判事は唯一の反対意見で、この判断が「無資格の医療提供者による非倫理的・危険な医療の横行を招く」と警告した。

「下級審の判断は、敵対的な州に対し、宗教学校や他の宗教団体に対し、宗教的実践を放棄するか公的資金から排除されるかの選択を迫るための青写真を与えるものだ」
ベケット宗教自由財団(弁護団)