筆者にとって、クラシックカーとの出会いは奇跡のようなものだ。2015年4月、米中西部の厳しい冬が終わりを告げようとしていた頃、筆者はイリノイ州イーストモリーンの中国料理店へ向かうため、愛車のリンカーン・タウンカー・カルティエを走らせていた。
料理を楽しもうとしていたその時、筆者の目を引いたのが、フロント道路脇に停められた1台の輝く銅色のクルマだった。1977年式リンカーン・コンチネンタル・タウンカー。カタログによれば、そのカラーは「エンバー・ムーンダスト」と呼ばれる特別仕様のオプション塗装だった。
筆者はすぐに車を停め、クルマに近づいた。幸運なことに、シフトはパークに入っていたため、花屋の駐車場から排水溝へと滑り込むことはなかった。そのクルマは、ほぼ新車同様の状態で、ホイールカバー、白壁タイヤ、そして外装のクロムパーツやバッジ類が完璧に保たれていた。まさに当時の最高級モデルであり、基本モデルのコンチネンタルをはるかに上回る贅沢仕様だった。
タウンカーの特徴とグレード
タウンカーとその2ドア版であるタウンカプとは、コンチネンタルのクーペとセダンをベースに、さまざまな高級装備を加えたオプションパッケージだった。主な特徴は以下の通りだ。
- 「フローティング・ピロー」シート
- 洗練されたドアパネル
- パワーベントウインドウ(当時「シガレット・ウインドウ」と呼ばれていた)
- フルビニールルーフ
- カーペット張りのトランクルームとスペアタイヤカバー
1975年から1976年までのコンチネンタルと1977年モデルの最大の違いは、新しい「パルテノン」グリルの採用だった。これは従来の低く幅広いグリルから一新されたデザインだ。2ドアモデルの価格は9,474ドル、セダンは9,636ドルで、タウンカー/タウンカプのパッケージはさらに上乗せされた。
幻のオプションと特別仕様
当時のリンカーン・コンチネンタルには、数多くのオプションが用意されていた。その中でも特に注目すべきは以下の装備だ。
- 「エンバー・ムーンダスト」をはじめとするムーンダストカラー(クロスカントリーのキャディラック「ファイヤーミスト」に似た、金属フレークが光る特別塗装)
- タービンスタイルのアルミホイール
- ポリッシュされた鍛造アルミホイール
- 「コーチルーフ」と呼ばれるハーフトップ仕様
- セダンのみに設定されたオペラウインドウ(Cピラーに楕円形の小窓)
多くの人がオペラウインドウがタウンカーパッケージに含まれていると勘違いしているが、実際には別オプションだった。そのため、タウンカーの装備はすべて揃っているものの、オペラウインドウが装備されていないケースも珍しくない。
エンジンとパフォーマンス
1977年式コンチネンタルのエンジンは、2種類のV8が用意されていた。
- 179馬力、400立方インチ(6.6L)V8
- 208馬力、460立方インチ(7.5L)V8
すべてのモデルに、パワーステアリング、フロントディスク/リアドラムブレーキ、自動温度調節機能、そしてミシュランの白壁タイヤが標準装備されていた。2ドアモデルの重量は4,836ポンド(約2,193kg)、セダンは4,880ポンド(約2,213kg)だった。
この1977年式リンカーン・コンチネンタル・タウンカーは、まさにアメリカンクラシックの頂点を極めた1台と言えるだろう。その輝きは、今もなお多くの愛好家の心を捉え続けている。