フロリダ州ポートセントルーシーで最大級のデータセンター計画が頓挫
米国フロリダ州ポートセントルーシー近郊で計画されていた「センチネル・グローブ・テクノロジーパーク(Project Jarvis)」は、2026年2月に開発者が計画を完全撤回した。同プロジェクトは、旧農地に建設予定の巨大データセンターで、最大1ギガワットの電力消費が見込まれていた。これは中規模都市1つ分の電力に相当する規模だった。
開発者は当初、水供給施設の自立運用や建物の高さ制限(60フィート)など、地元の懸念に配慮した対策を発表していた。しかし、2026年10月に開催された計画委員会の投票で敗北。さらに同年2月には、ロン・デサンティス州知事がAI規制を提案したことで、プロジェクトの実現性がさらに低下した。最終的に、開発者は土地利用許可申請を取り下げた。
2026年第1四半期だけで20件以上のプロジェクトが中止に
センチネル・グローブ・テクノロジーパークは、2026年第1四半期に頓挫した最大級のデータセンター計画の一つだが、唯一の事例ではない。同四半期だけで少なくとも20件のデータセンター建設計画が地元住民の反対により中止され、総投資額は417億ドル以上に上った。これらのプロジェクトは合計で3.5ギガワットの電力需要があったと推計されている。
米国各地でデータセンター建設に対する反対運動が激化しており、その勢いは衰える気配がない。ジョージア州やペンシルベニア州などでも新規データセンター計画に対する住民の反発が強まっている。特にAIモデルの運用を予定していない施設であっても、地元住民の反対は根強い。
反対運動の成功率が上昇、2026年は記録更新の見通し
調査会社ヒートマップ・プロのデータによると、2025年には全国で約25件のデータセンター計画が地元の反対により中止された。しかし、2026年はわずか5カ月でその記録を上回る可能性が高いという。
同社の調査では、過去3年間で少なくとも850億ドル相当のデータセンター計画が中止されており、このうちの多くは2025年以降に発生したものだ。これらの数字はこれまで公表されていなかったが、同社は定期的に反対運動の動向を分析し、その結果を顧客向けに提供している。
反対運動の主な要因とは
- 環境負荷への懸念:大規模な電力消費や水資源の圧迫が主な反対理由となっている。
- AI規制の強化:特にフロリダ州では州知事によるAI規制の提案がプロジェクト中止に拍車をかけた。
- 地域経済への影響:巨大な施設が地域の景観や住環境を損なう可能性が指摘されている。
- インフラ負担:電力網や交通インフラへの負荷が懸念されている。
「データセンター建設反対運動は、もはや一時的な動きではなく、米国全土で構造的な変化をもたらしつつある。今後数年間で、この流れはさらに加速する可能性が高い」
— ヒートマップ・プロ調査チーム
今後の見通しと業界への影響
データセンター業界は、今後ますます厳しい規制環境に直面することが予想される。特に電力供給や環境への影響に関する規制が強化される可能性が高く、大規模プロジェクトの実現が困難になるとの見方が強い。
一方で、小規模で環境負荷の低いデータセンターの需要が高まる可能性もある。業界関係者は、今後数年間でデータセンターの立地戦略や技術開発に大きな変化が生じるだろうと指摘している。