企業にとって、間違った人材の昇進は大きな損失につながる。特に経営幹部クラスの採用失敗率は30%から50%に達し、その影響は1年半以内に顕在化することが多い。こうした課題を解決するため、従業員管理プラットフォーム「Workhuman」が新たなAIツール「Future Leaders」を開発した。
同社が発表したこのツールは、従業員の将来的なリーダーシップ発揮を3〜5年先まで予測する機能を持つ。Workhumanの年次カンファレンスで登壇したCEOのエリック・モズリー氏は、ツールの精度を検証するため、2020年のデータを基にテストを実施。当時の社会現象「タイガー・キング」が話題になった時期をデータに設定したところ、80%という高い精度で昇進を予測できたという。
モズリー氏は、Future Leadersがなぜ特定の従業員が昇進するのかを「逆算」して説明できる点を強調する。例えば、ある従業員がVP(副社長)に昇進した理由をAIが分析したところ、与えられた責任の大きさから「戦略的信頼」が醸成されていたことが明らかになった。同氏はこれを「将来の昇進を示す重要な指標」と位置づけている。
Future Leadersは、膨大なリーダー層のデータを学習しており、優れたリーダーに共通するパターンを抽出する。これにより、企業は昇進の機会を見逃しがちな有能な従業員を発掘し、適切なタイミングで評価できるようになる。
既に多くの企業がAIを活用した昇進支援を導入しており、2025年の調査によると、77%のマネージャーが昇進判断にAIを活用しているという。Future Leadersはさらに一歩進み、将来のリーダー候補を「先読み」する機能を提供する。
ただし、80%という高精度を誇る一方で、最終的な判断は人間の判断に委ねられる。モズリー氏も「AIは人間のプロンプト次第で効果が変わる」と述べ、人間の洞察力とのバランスが重要だと指摘する。