FBI長官のカッシュ・パテル氏は11月27日、ニューヨーク・タイムズが同紙の記者エリザベス・ウィリアムソン氏に対してFBIが捜査を行ったと報じた件について、事実無根の主張だと強く非難した。
ウィリアムソン氏は2月28日、パテル氏が自身のガールフレンドであるアレクシス・ウィルキンス氏に政府のセキュリティや旅行の承認を与えていたとの記事を執筆。これを受け、FBIはウィリアムソン氏の行動が連邦ストーキング法に抵触するかどうかを調査していた。捜査は最終的に終了したが、ニューヨーク・タイムズの報道によると、司法省の一部関係者は「報復的な捜査」との見方を示していたという。
パテル氏は FOX News のショーン・ハニティ氏とのインタビューで、「ウィリアムソン記者の取材手法がストーキングに該当すると主張するのは、法的根拠に乏しい」と述べ、ニューヨーク・タイムズの報道を「根拠なし」と断じた。また、同報道により自身のガールフレンドが命の脅威にさらされたと主張し、「我々は、自分だけでなく全てのアメリカ国民を守る」と強調した。
これに対し、ニューヨーク・タイムズの広報担当者は「我々の記事は重要な事実を公に明らかにした。記事の正確性には自信を持っている」とコメント。編集長のジョー・カーン氏も「ウィリアムソン記者の報道の自由を侵害する明白な違反行為であり、政府による報道機関への圧力の一環だ」と非難した。
報道の自由擁護団体からも、パテル氏とFBIの対応に対する批判が相次いだ。報道の自由財団のセス・スターン最高顧問は「FBIが報復的な捜査の法的根拠のなさを、トランプ政権下の司法省の弁護士でさえ指摘していたことに、FBIの暴走ぶりがうかがえる」と述べた。
また、国境なき記者団は「このような報道機関への執拗な嫌がらせは、FBIの暗黒時代を彷彿とさせる」と指摘し、「パテル氏は辞任すべきだ」との声明を発表した。
パテル氏は今週、自身の飲酒問題や職務遂行能力に関する記事を巡り、アトランティック誌を2億5000万ドルで提訴するなど、メディアとの対立を深めている。