Appleは現地時間10日、自社の人工知能(AI)機能に関する虚偽広告で提起された集団訴訟について、2億5000万ドル(約375億円)の和解金を支払うことで合意した。対象となるiPhone所有者には、最大95ドルの支払いが見込まれている。

この訴訟は、Appleが2024年に発表した「Apple Intelligence」と呼ばれるAI機能について、実際には機能が実装されていないにもかかわらず、大々的に宣伝したことが問題視されたもの。特に、SiriのAI機能強化が遅れたことで、消費者が誤解を招いたと指摘されている。

対象となるiPhoneモデルと支払額

和解の対象は、米国で2024年6月10日から2025年3月29日の間に購入されたiPhone 16シリーズ全機種、およびiPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max。総計で約3700万台が該当する。

支払額は、各デバイスにつき最低25ドルが保証されており、申請件数などの要因によって最大95ドルまで増額される可能性がある。Appleは今後、電子メールまたは郵便で申請方法を通知するとしている。

AppleのAI戦略と今後の展望

AppleはAI分野で競合他社のGoogleやSamsungに後れを取っており、SiriのAI機能強化が遅れたことで消費者の不満が高まっていた。同社は今年後半にSiriのアップグレードを発表する予定で、おそらく来月の開発者向けカンファレンスで詳細が明らかになると見られている。

「消費者は、強化されたSiri機能が利用できないことを知っていれば、該当デバイスを購入しなかったか、大幅に安い価格で購入していた可能性が高い」
—裁判所書類より

AppleはAI分野での巻き返しを図っているが、現時点では機能の実装が遅れており、消費者からの信頼回復が課題となっている。