ロサンゼルス郡立美術館(LACMA)の新しいジョージ・ゲッフェン・ギャラリーが、ファッションとテキスタイルを他の芸術形式と同等の地位に押し上げた。同館は、芸術の垣根を取り払う革新的な展示空間として注目を集めている。
同ギャラリーのオープニングに合わせ、Diorivieraの鮮やかな青を基調としたコレクションが展示され、話題の映画『プラダを着た悪魔2』と連動したDiorのランウェイショーも開催された。また、Tiffany & Co.の最新コレクション「ブルーブック」がニューヨークで発表される一方、ジョージ・アーマニのアーカイブォ第二弾がミラノで開催され、ロサンゼルスとの関連性が注目されている。
同ギャラリーは、ピーター・ズントーによる設計で、ウィルシャー通りにまたがる壮大な建物は、6年以上の歳月と7億2400万ドルの費用をかけて完成した。メディア向け内覧会では、工事中にもかかわらず、作業員たちが記念写真を撮るなど、完成への期待が高まっていた。
新たな芸術体験:階層を超えた展示構成
10万平方フィートの広大な空間では、従来の芸術の階層を覆す展示が行われている。来場者はどこから見始めるべきか、どの順序で回るべきか迷うほどだが、それがこのギャラリーの狙いだ。短い注意力でも楽しめる一方で、自由に散策しながら芸術との新たな繋がりを見出すことができる。
展示空間の視線の流れと光の演出は、ロサンゼルスならではの芸術的な景観を創出している。例えば、ルース・アサワの作品「Untitled (S.027)」や、エド・ルシェの「Parking Lots」、デニス・ホッパーの「Double Standard」、カルロス・アルマラスの「Crash in Phthalo Green」などが並ぶ「Car Culture」コーナーでは、1961年製のステュードベーカーと共に、自動車文化が表現されている。
プラスチック時代の芸術:革新的な展示構成
「Earth and Water」セクションでは、古代から現代に至るまでの多様な文化や時代の陶磁器が展示され、時間と場所を超えた人間の共通体験が表現されている。また、1960年のグレッグ・ノールのサーフボードと、チャールズ・イームズとエーロ・サーリネンの椅子、クレイグ・カウフマンの壁面レリーフ、イッセイ・ミヤケの成形ボディスなどが並ぶ「Plastics in Art」コーナーでは、第二次世界大戦後のプラスチックを用いた芸術が紹介されている。
新しいジョージ・ゲッフェン・ギャラリーは、単なる展示空間にとどまらず、芸術と文化の新たな交流の場として、ロサンゼルスの文化的ランドマークとなることが期待されている。