米航空宇宙局(NASA)は、欧州宇宙機関(ESA)が開発する火星探査ローバー「ロザリンド・フランクリン」の打ち上げ再開を発表した。打ち上げはスペースXのファルコンヘビーでケネディ宇宙センターから行われる予定だが、現時点での具体的なスケジュールは未定で、少なくとも2028年以降となる見通しだ。
NASAとESAの共同ミッション
このミッションはNASAとESAの共同プロジェクトで、ESAがローバー本体、宇宙船、着陸機を提供し、NASAは着陸機のブレーキエンジンやローバー内部システムのヒーター、そして打ち上げ支援を担当する。
ローバーには、火星の古代生命の痕跡を探る最先端の科学機器が搭載される。具体的には、質量分析器や有機分子分析装置などが含まれ、着陸予定地のオクシア平原でサンプル採取を行う。
長年にわたる遅延と再開の経緯
このミッションは2001年に構想され、当初は2009年の打ち上げが計画されていた。しかし、NASAは2012年に予算不足を理由に計画から離脱。その後、ロシアが打ち上げパートナーとして参加したが、2022年のロシアによるウクライナ侵攻を受け、ESAはロシアとの提携を中断した。これによりミッションは一時頓挫したが、2024年にNASAが再参画し、再始動することとなった。
政治的要因による更なる遅れ
さらに、トランプ政権時代には、NASAの他のプロジェクトと共に、このミッションへの関与も大幅な予算削減の対象となった。現在の提案は、アルテミスIIのクルーが月周回ミッションを行っていた際に発表されたもので、打ち上げが実際に2028年以降に実現するか注目される。
「我々が共通の目標に向かって協力する時、この国と世界は何ができるかを示した。しかし、NASAの科学予算47%削減、全体予算23%削減という提案は、この流れに逆行するものだ」
— 上院議員マーク・ケリー(2026年4月10日)
長年にわたる技術的・政治的な障害を経て、ようやく再始動にこぎつけたこのミッション。2028年以降の打ち上げが実現すれば、火星における生命の痕跡発見に向けた大きな一歩となるだろう。