NFLの新たなTV放映権契約交渉が、当初の予想よりも大幅に停滞している。2029年シーズン(ESPNは2030年)の契約解除オプションを超えて放映権を延長し、リーグに多額の収入をもたらす新契約の締結が困難な状況にある。
リーグは、パラマウントのスカイダンスへの売却に伴い発動された「支配権移転条項」を活用し、CBSとの交渉を再開したが、5月に迫る中でも合意に至っていない。
「CBSとの交渉は、当初最初のドミノになると期待されていたが、財務面での進展はほとんど見られない」と、グッゲンハイム・セキュリティーズのアナリスト、マイク・モリス氏は語る。
交渉の目標は、CBSとの合意を皮切りに、他の既存放送局との契約を第1週前にまとめることだったが、現実的ではないとの見方が強まっている。
「現時点で、2026シーズン開幕前に契約が成立する可能性は低い。不可能ではないが、NFLが目指すのは、既存の放映権を新たな条件で延長することであり、2029~30シーズン以降の再交渉オプションを放棄する代わりに、リーグに高額な放映料を支払わせる形だ」とモリス氏は指摘する。「放映権の割り当てに変更がない限り、開幕前に合意できる可能性はある」としている。
交渉遅延の背景には、フォックスなどによる政治的な抵抗も影響しているとみられる。また、リーグ側も、既存の放送局が直ちに大幅なコスト増を吸収し、収益に転換することが困難であるとの認識を深めている可能性がある。
しかし、時間は刻一刻と迫っている。現在の契約が2029年に終了するため、日曜午後、日曜夜、木曜夜の放映権が再交渉の対象となる。課題は、リーグにとって破格の収入を確保しつつ、ライブ視聴者数の減少により、かつてのように他番組のプロモーション目的でNFL放映を「損失リーダー」として扱えなくなった放送局が、財務的に耐えられるバランスを見つけることだ。