米国の未成年者にとって、日焼けサロンの利用がますます容易になる見通しとなった。皮膚科医らの反対を押し切り、ロバート・F・ケネディ・ジュニア保健長官が、全米の日焼けサロンへの未成年者のアクセスを事実上解禁する方針を発表した。ロサンゼルス・タイムズが2024年5月22日に報じた。
ケネディ長官は今年初め、18歳未満の日焼けサロン利用を制限するFDA(米食品医薬品局)の規制案を撤回。さらに、成人利用者に対し、人工日焼け機器の健康リスクを認める同意書への署名を求める規制も廃止した。これにより、未成年者が日焼けサロンを利用する障壁が大幅に低下した。
紫外線被ばくと皮膚がんリスクの歴史的経緯
紫外線が皮膚に与えるダメージは1930年代から指摘されていたが、公衆衛生当局が積極的に警告を発するようになったのはそれよりずっと後のことだ。1980年代中期には、FDAが「日焼けピル」に対する警告を発し、日焼けベッドの使用時間制限を設定。さらに、人工的な日焼けがもたらす「暗黒面」についての啓発キャンペーンを展開し、がんリスクの高まりを国民に周知した。
ケネディ長官の「健康」主義と日焼けサロン
ケネディ長官は自身の「米国を健康に戻せ」というスローガンに日焼けサロンを明確に掲げていないが、この習慣が彼のライフスタイルに深く根付いていることは明らかだ。72歳のケネディ長官はワシントン周辺の日焼けサロンを頻繁に利用しており、その利点について公然と発言してきた。2024年選挙を控えた数週間前、彼はFDAによる「太陽光(sunshine)」への「戦争」を批判。さらに、生の牛乳、マラリア治療薬のヒドロキシクロロキン、駆虫薬のイベルメクチン(いずれもCOVID-19の奇跡的治療法として主張)、そして psychedelics(幻覚剤)など、いわゆる「ウェルネス業界」の主張にも同調した。
こうした主張に影響を受けた支持者たちは、日焼けサロン利用を自身の健康法に取り入れ、日焼けベッドの使用を推奨。日焼け止めの使用をやめ、皮膚を「ソーラーコールス(solar callus)」と呼ばれる日焼け耐性を獲得するよう、フォロワーに呼びかけていることがロサンゼルス・タイムズの調査で明らかになった。
専門家からの強い懸念
皮膚科医や公衆衛生専門家らは、この決定に強い懸念を示している。人工的な紫外線照射は、皮膚がんのリスクを大幅に高めることが科学的に証明されている。特に若年層の皮膚は紫外線の影響を受けやすく、将来的な健康被害が懸念される。
ケネディ長官のこの動きは、米国の公衆衛生政策に大きな波紋を呼んでおり、今後さらなる議論が予想される。