ガソリン税の代替策として走行距離課税を検討
イリノイ州議会が、従来のガソリン税に代わる新たな道路維持費調達策として、走行距離課税の導入を検討している。燃費効率の向上や電気自動車(EV)の普及により、ガソリン税の税収が減少していることが背景にある。
SB 1938法案がパイロットプログラムを提案
州上院議員ラム・ビリバルム氏が提出したSB 1938法案(Illinois Road Usage Charge Act)は、州全体で走行距離に基づく課税をテストするパイロットプログラムの実施を求めている。これにより、ドライバーは燃料購入量ではなく、走行距離に応じて道路利用料を支払う仕組みが検証される。
プライバシー保護の規定はあるが課題も
法案では、走行距離の測定方法として、GPS追跡に依存しない手段(オドメーター報告やマイル確認システムなど)を少なくとも1つ含めることが義務付けられている。また、個人情報の収集・保管・伝送・破棄に関する安全対策の実施も求められている。
しかし、法案には依然として懸念点が残る。具体的には、GPS追跡の全面的な禁止規定がないこと、データ保存期間の明確な制限がないこと、法執行機関や第三者ベンダーによるデータアクセスに関する制限がないことなどが挙げられる。将来的にこのシステムが拡大された場合、ドライバーの移動履歴が広範に監視される可能性があるとの指摘もある。
EV所有者向けの選択肢も提案中
別の法案SB 3566では、EV所有者に対して年間$320の固定料金か、走行距離1マイルあたり1.5セント(上限$320)のいずれかを選択できる仕組みが提案されている。ただし、マイル報告方法がまだ具体化されていないため、今後プライバシー規制の強化や緩和が検討される可能性がある。
今後の展望と課題
走行距離課税は、燃費向上やEV普及による税収減少という課題に対する一つの解決策として注目されている。一方で、プライバシー保護やデータ管理の在り方について、引き続き議論が必要となるだろう。パイロットプログラムの実施を通じて、より実効性のあるシステムの構築が求められる。