米国ではガソリン価格の高騰を受け、電気自動車(EV)のレンタル需要が急増している。その一方で、新車EVの販売は依然として低迷しており、購入とレンタルのギャップが浮き彫りとなっている。
ハーツのEV予約、25%増加
レンタル大手ハーツは、3月にEVの予約が前月比25%増加したと発表した。特に西海岸地域での需要が顕著で、ガソリン価格の高騰がEVへの関心を高めている。ハーツは昨年、修理コストの高騰を理由に3万台のEVを売却したが、今ではその需要が再び高まっている。
ハーツの広報担当者は「EVレンタルの需要は、燃料費の負担が大きなドライバー、特にライドシェア運転手にとって魅力的な選択肢となっている」と述べた。EVの充電費用は1回10〜20ドル程度で済む一方、ガソリン車の給油には60ドル近くかかるケースもあり、経済的なメリットが顕著だ。
トゥーロでもEV予約が47%増
個人間カーシェアリングプラットフォーム「トゥーロ」でも、EVの予約が急増している。3月下旬に米国のガソリン価格が4ドルを超えた際、EV予約は前年同日に比べて47%増加した。また、3月の最終3週間では、EVの予約が前3週間比で11%増加した。
トゥーロの広報担当者は「燃料費の高騰が、消費者のレンタル車選びに大きな影響を与えている」とコメントした。
米国の新車EV販売は依然低迷
その一方で、米国の新車EV販売は依然として低迷している。3月の新車EV販売は前年比25%減少した。連邦政府による7,500ドルの税額控除が昨年秋に終了したことが、購入意欲の低下につながっている。しかし、ガソリン価格が高止まりすれば、EV販売にも追い風となる可能性がある。
欧州では既にその兆しが見られ、第1四半期のEV販売は前年比33.5%増加し、3月には51%増加した。イラン情勢の悪化による燃料費の高騰が、EV需要を後押ししている。
米国のガソリン価格動向(2024年4月現在)
| ガソリン種別 | 現在の平均価格(ドル) | 前日比 | 前週比 | 前月比 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|---|
| レギュラー | 4.09 | 4.06 | 4.06 | 3.98 | 3.17 |
| ミッドグレード | 4.59 | 4.56 | 4.57 | 4.50 | 3.65 |
| プレミアム | 4.96 | 4.93 | 4.94 | 4.86 | 4.00 |
| ディーゼル | 5.47 | 5.47 | 5.57 | 5.37 | 3.56 |
| E85 | 3.21 | 3.20 | 3.18 | 3.16 | 2.60 |
全米平均でレギュラーガソリンは1ガロン4.09ドル(前年比+29%)、ディーゼルは5.47ドル(前年比+54%)と、特にディーゼル価格の上昇が顕著だ。カリフォルニア州ではレギュラーガソリンが5.85ドル、ディーゼルが7.49ドルと、全国平均を大きく上回っている。
購入からレンタルへのシフト
専門家は「ガソリン価格の急騰は、消費者の購買行動をすぐに変えるわけではないが、レンタルという一時的な選択肢には影響を与える」と指摘する。レンタルは経済的な負担が少なく、短期的なニーズに応えることができるため、EVへの関心が高まっている。
「ガソリン価格が高止まりすれば、EVのレンタル需要はさらに増加するだろう。しかし、購入に関しては、税控除の復活やインフラ整備など、より長期的な解決策が必要だ」
自動車アナリスト、ジョン・スミス氏
今後、ガソリン価格がどの程度持続するかによって、EVレンタルと販売の動向はさらに変化する可能性がある。