シアトル郊外で蓄電池プロジェクトに反対運動が激化

ワシントン州キング郡スノホミッシュ市で、大規模蓄電池プロジェクト「Cascade Ridge Resiliency Energy Storage」に対する反対運動が拡大している。同プロジェクトは、130メガワットの蓄電池施設で、未編入地域に位置し、変電所や送電インフラに近接している。

Moss Landing 火災の影響で安全性に懸念

反対運動の背景には、2022年にカリフォルニア州 Moss Landing で発生した蓄電池火災がある。この火災を受け、地元住民らは「熱暴走」のリスクを強く懸念。反対団体「Snoqualmie Valley for Responsible Energy (SVRE)」は、プロジェクトで提案されている蓄電池の化学組成が公表されていないと指摘し、安全性への不安を訴えている。

SVREの戦略資料には「提案されている蓄電池の化学組成は公的書類で確認されていない。最近の事例が示すように、リスクは計り知れない」と記載されている。

住民の反発が市議会に影響

650人規模の抗議集会が開催された直後、Jupiter Power 社が規制当局にプロジェクト申請を提出した。これを受け、スノホミッシュ市議会は特別会議を開催。市議会は、プロジェクトの再検討を求める書簡を送付する決議を可決した。

書簡の草案には「住民の懸念に対応するため、Puget Sound Energy の送電・配電システム内の代替地点を検討することを奨励する」と記載された。

Jupiter Power 社の対応と今後の展望

Jupiter Power 社は「地域住民からのフィードバックを歓迎する」とコメント。キング郡当局も「住民の懸念を理解している」と述べた。一方、Puget Sound Energy は「市議会の正式な行動について公式な通知を受けておらず、コメントは控える」としている。

このような現地の反発は、州レベルの意思決定者にとって無視できない要因となる。蓄電池セクター全体にとっても注視すべき動向だ。

バージニア州でもデータセンター計画に逆風

ワシントン州に続き、バージニア州でもデータセンター計画に波紋が広がっている。プリンスウィリアム郡では、大規模データセンター「Digital Gateway」計画を巡り、開発業者の Compass が撤退を発表した。

同計画は、再区画化の判決が覆されたことで必要な承認が得られなくなり、郡当局が法廷闘争の支援を取りやめる決断を下した。反 AI データセンター活動家らは、この動きを歓迎している。

「この撤退は、データセンターの拡大に対する地域の抵抗が強まっていることを示している」と活動家らは指摘する。

シアトルとバージニアの両事例は、エネルギーインフラとテクノロジー産業の拡大に対する地域住民の反発が、計画の見直しや撤退につながる可能性を示す事例となった。