米国最高裁判所は11日、アラバマ州の下院選挙区画定案を承認する決定を下した。これにより、州内の黒人有権者が多く住む選挙区が1つから2つに増やされる見込みだったが、今回の決定でその実現が阻まれた形となった。
最高裁の決定に対し、リベラル系判事3人が反対したが、その中でもソニア・ソトマイヨール判事が特に厳しい反論を展開した。彼女は5ページにわたる反対意見書で、保守系判事らの判断を「不適切」と断じ、選挙区画定の変更が「混乱と混同を招く」と指摘した。
ソトマイヨール判事は「裁判所は、差別的意図に基づく選挙区画定を厳正に見直した上級審の判断を、何の根拠もなく無視した」と述べ、選挙が来週に迫る中で「混乱を招くだけの決定」と批判した。また、アラバマ州の共和党指導者らは選挙区の再編を進めることで、民主党議員の議席を奪う可能性が指摘されている。
この決定は、最高裁が先月「投票権法」の骨抜きにしたことで可能となった。アラバマ州の黒人有権者らは長年、選挙区画定の見直しを求めてきたが、今回の決定でその努力が水泡に帰すこととなった。
黒人有権者団体が警鐘
全米黒人地位向上協会(NAACP)のデリック・ジョンソン会長は「我々は今、ジム・クロウ法の復活を目の当たりにしている。この動きに危機感を抱く全ての人が、11月の選挙で声を上げ、この暴挙を止める計画を立てるべきだ」と述べた。
選挙区画定を巡る経緯
アラバマ州の選挙区画定は、黒人有権者の投票力を意図的に弱めているとの指摘を受け、連邦裁判所が2022年に差別的意図に基づく選挙区画定を認定していた。しかし、最高裁は今回、この判断を覆す決定を下した。
「裁判所は、選挙区画定の変更が選挙に与える影響を考慮せず、混乱を招くだけの決定を下した」
— ソニア・ソトマイヨール判事