米国のトランプ大統領は2026年2月28日、イランへの軍事攻撃を承認した。しかし、それから60日以上が経過した現在も、米軍の作戦は続いている。米国の法律である「戦争権限決議(War Powers Resolution)」によれば、大統領は「敵対行為に直接参加する可能性が高い状況」に軍を派遣した場合、60日以内に作戦を終了するか、議会の承認を得なければならないと定められている。
トランプ大統領は3月2日に上院に書面で通知したが、5月1日で60日間が経過。これにより、大統領は直ちに作戦を停止するか、議会の承認を求める必要があった。しかし、政権は「戦闘は終わった」と主張し、議会の承認を得ないまま作戦を継続している。
議会からの反発と法的な矛盾
共和党議員を含む多くの議員が、政権の対応に懸念を示している。ユタ州選出のジョン・カーティス上院議員は「大統領の行動は1973年の戦争権限決議に基づく法的権限の範囲内だが、同法は60日以内に軍事行動を終結させるか、議会の正式な承認が必要だと明確に規定している」と述べた。さらに「議会が関与しない限り、軍事行動への資金提供を支持しない」と強調した。
アラスカ州選出のリサ・ムルコウスキー上院議員も「明確な説明責任なしに無期限の軍事行動に関与すべきではない」と述べ、「議会には役割がある」と指摘した。
政権の主張と現実の乖離
トランプ大統領は5月2日、議会に宛てた書簡で「2026年2月28日に始まった敵対行為は終了した」と主張した。しかし同時に「イラン政権に対する米国の作戦は成功したが、米国と米軍への脅威は依然として深刻だ」とも述べ、軍事的圧力を継続する意向を示した。
政権はこれまで、4月7日の停戦以降も「2月28日に始まった敵対行為は終了した」との見解を繰り返してきた。さらに、5月1日の参議院軍事委員会で国防長官ピート・ヘグセス氏は「停戦により60日間のカウントは一時停止または停止される」との見解を示した。
ストレート・オブ・ホルムズ封鎖と今後の展望
現在、米国とイランはホルムズ海峡の封鎖を実施しており、イランが核兵器計画を放棄するまで米国はこれを継続するとトランプ大統領は述べている。また、書簡では将来的な紛争の可能性にも言及しており、再び60日間のカウントが始まるのか、議会の関与なしに大統領が自由に行動できるのかという疑問が残る。
専門家らは、議会が「対等な政府機関」としての役割を果たし、法的な整合性を確保するための措置を講じるべきだと指摘している。今後、議会がどのような対応を取るのかが注目される。