2025年2月17日、ウガンダ・カンパラのTASOムラゴ医療センターで開催されたHIV検診デー。写真は同センターにて。 | Hajarah Nalwadda/Getty Images
2025年1月、トランプ政権が米国の海外援助削減に着手した際、世界の保健専門家たちはHIV対策の崩壊を危惧した。モデル分析では、資金削減により数千人の死者が出る可能性が指摘されていた。実際、9カ国で2025年上半期にHIV検査を受けた人は340万人減少し、緊急の免除措置によって治療は再開されたものの、予防や啓発活動は依然として停滞している。
混乱から1年以上が経過し、世界有数の米国資金によるHIV対策プログラム「PEPFAR」の実態が明らかになった。治療面では一定の成果が見られるものの、感染拡大防止の取り組みは後退している。
PEPFARの治療実績:維持された命
2025年7~9月のデータによると、PEPFARは世界で約2000万人にHIV治療薬(抗レトロウイルス薬)を提供した。これは前年同期とほぼ同水準であり、米国務省は「非常に良好な結果」と評価している。 Jeremy Lewin米国務省外務援助担当次官は先日開催された会議で、「数字は非常に良好だ」と述べた。
治療の継続はHIV陽性者の命を救う重要な役割を果たす。しかし、PEPFARの使命はそれだけにとどまらない。新規感染者の発見と拡大防止こそが、長年にわたりHIV流行を抑制してきた要因だった。
後退する感染予防と検査体制
その一方で、PEPFARの感染拡大防止機能は明らかに低下している。2025年10~12月のデータでは、前年同期比でHIV検査を受けた人は400万人減少し、17%の減少となった。新規に治療を開始した人は46万3000人から38万9000人に減少し、16%の減少。さらに、HIV感染予防薬(PrEP)の新規登録者は27万人減少し、41%の減少。フォローアップのための再来院者数も60%近く減少した。
これらの数字は、PEPFARが新規感染者の発見と予防に関して後退していることを示している。専門家らは、この傾向が続けば、HIV流行の抑制が困難になると懸念している。
PEPFARの使命と今後の課題
PEPFARは単なる薬の供給にとどまらず、検査・予防・啓発活動を通じてHIV流行を抑制する戦略的プログラムだった。しかし、資金削減により、これらの活動が大幅に制限された。治療面での成果は維持されたものの、感染拡大防止の取り組みは大きな打撃を受けた。
米国務省は、治療の継続が最優先課題であると強調しているが、専門家らは早急な対策の必要性を訴えている。PEPFARの機能回復なくして、HIV流行の抑制は困難だと指摘する声が上がっている。