パオロ・ザンポリは、トランプ政権の「グローバル・パートナーシップ」特使として、今年注目を集める複数のスキャンダルに関与している人物だ。ワールドカップ、ジェフリー・エプスタイン、さらにはICE(移民税関執行局)をめぐる疑惑で、国際社会から厳しい目が向けられている。

ザンポリは、トランプ前大統領の特命全権大使として、米国のグローバルな影響力を利用しようとする動きが問題視されている。彼の行動は、トランプの国際的なプラットフォームを悪用し、自身の利益を追求する輩の典型例と見なされている。

ワールドカップをめぐる波紋

今夏開催のワールドカップ(米国・カナダ・メキシコ共催)をめぐり、ザンポリは英フィナンシャル・タイムズ(FT)の取材に対し、イラン代表に代えてイタリア代表を出場させる提案をトランプ前大統領とFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長に行ったと明かした。

ザンポリは「イタリア人として、アズーリ(イタリア代表)が米国開催のワールドカップに出場するのを見るのが夢だ。4度の優勝経験があり、出場資格は十分にある」と語った。しかし、ザンポリはイタリア出身ながら、イタリアサッカーやワールドカップとの明確な関係は見られない。

FTは、この提案がイタリア首相ジョルジャ・メローニ氏による、イラン情勢に関するトランプ発言への批判を受け、米イタリア関係の改善を図る意図があったと指摘した。ザンポリはこの提案をX(旧Twitter)で拡散し、さらにイタリア紙コリエレ・デラ・セラのスクリーンショットを投稿した。

イタリアスポーツ相アンドレア・アボディ氏は「まず不可能であり、次に不適切だ。出場資格はピッチで決まる」と一蹴。イラン大使館は「米国のモラル崩壊を露呈しただけだ。11人の若いイラン人選手の存在すら恐れるのか」と非難した。イラン政府当局者も、ワールドカップ出場への準備はできていると表明している。FIFAも、イラン代表の代替を検討していないとBBCが報じており、国際社会の反発は収まっていない。

ジェフリー・エプスタインとの関係

ザンポリは1990年代にモデルエージェンシーの代表を務めており、ドナルド・トランプとメラニア夫人の紹介者であったと主張している。また、メラニア夫人の米国就労ビザ取得を手助けしたとされる。ザンポリは今月、メラニア夫人がジェフリー・エプスタインとの関係を否定したことに対し、議会証言に応じる用意があると語った。

メラニア夫人もエプスタインの被害者が議会で証言することを求めており、ザンポリ自身もエプスタインとの関係が指摘されている。エプスタインは未成年者への性的虐待で有罪判決を受けた convicted sex offender である。

ICEをめぐる疑惑

ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、ザンポリはICEの活動に関しても疑惑の渦中にある。ICEは移民の強制送還や拘束を担う米国の機関だが、人権団体からは過酷な取り締まりが批判されている。ザンポリの関与がどのような形で行われたのかは明らかになっていないが、NYTはその点についても調査を進めている。

ザンポリの一連の行動は、トランプ政権の国際的な信頼を損なうだけでなく、米国の外交政策に対する国際社会の不信感を増幅させている。彼の存在は、権力と影響力を悪用する者の象徴として、世界から注目を集めている。