ナカモト社、CEO報酬7倍に膨張も株主は238億円の損失

ビットコイン(BTC)を保有する米ナスダック上場企業「ナカモト社」は、2026年の第1四半期に2億3800万ドル(約360億円)の純損失を計上した一方で、CEOのデイビッド・ベイリー氏への報酬は7倍に急増したことが明らかになった。同社は第1四半期末時点で5,000BTC以上(時価約3億4500万ドル)を保有していたが、株主の投資価値は39%下落し、株価は0.36ドルから0.22ドルに低迷した。

株式時価総額98%下落も経営陣への報酬は高止まり

ナカモト社の株式(ティッカー:NAKA)は、直近52週の高値から98%下落しており、株主からは経営陣への報酬に対する批判が噴出している。ある株主は「時価総額が98%下落している中、2300万ドルもの報酬を支払うのは正当か」と疑問を呈し、ベイリー氏に対し「経営陣の総報酬を開示せよ」と要求した。

同社の2026年Q1の10-Q書類によると、ベイリー氏とその関連会社は、現金報酬に加え大量の株式報酬を受け取っていた。また、同社が保有する5,064BTCの取得原価は1BTC当たり11万8,273ドルと極めて高額で、第1四半期だけで42%の価値下落(5億9900万ドル→3億4600万ドル)を記録。公正価値の下落による損失は1億250万ドルに上った。

関連当事者取引で2億8600万株発行 — 株主希薄化が問題に

2月に行われた関連当事者取引では、ベイリー氏と最高投資責任者(CIO)のタイラー・エバンス氏が支配する2社(BTC Inc.とUTXO Management)をナカモト社が株式交換で買収。この取引で約2億8600万株が新規発行され、ベイリー氏らの保有比率が大幅に希薄化した。同社の株式はこの日、52週高値から99%下落した水準で取引された。

「ベイリー氏が支配する会社の流動性イベントを、NAKA株主の希薄化で賄う。これは明らかな利益相反だ」
— Pledditor(@Pledditor)

ビットコインの87%を担保に借入 — 債務リスクも深刻化

ナカモト社は保有する5,064BTCのうち、4,405BTC(87%)をクラーケンからの米ドル建てUSDTローン(2億1000万ドル)の担保として差し入れていた。ローンは12月に満期を迎え、8%の利息に加え元本の全額返済が求められる。ベイリー氏はソーシャルメディアで5,000BTC保有をアピールしたが、その大半が借入の担保となっている事実を公表していなかった。

さらに、同社はメタプラネットへの投資を実行したが、この投資は第1四半期末までに少なくとも390万ドルの損失を計上。その一方で、メディア、アドバイザリー、ヘルスケア、資産運用の4事業部門の総営業収益はわずか270万ドルにとどまった。

株主からの批判と今後の展望

ナカモト社の株式は、ビットコイン保有企業としての期待から一時は高騰したが、現在はその実態を問われている。株主からは「経営陣の報酬が株価下落の責任を負わないのは不当だ」との声が上がっており、今後は経営陣の報酬体系やリスク管理の透明性が問われることになりそうだ。

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出典: Protos