ホンダは2029年までに世界で15車種のハイブリッド車を投入する計画を発表した。EV(電気自動車)戦略の見直しを余儀なくされた同社は、ハイブリッド技術をグローバルラインナップの中心に据える戦略転換を図っている。
同社はこのほど、次期アコードとみられるセダン、およびアキュラRDXの後継と目されるSUVのプロトタイプを公開した。いずれも2年以内の市場投入が予定されているが、現時点では車名やセグメントは明らかにされていない。
次期アコードとRDXのプロトタイプ公開
公開された「Honda Hybrid Sedan Prototype」は、5ドアのファストバックスタイルを採用。シャープなサーフェシング、スリムなLEDライティング、少量のブラッククラッドが特徴で、昨年公開されたシビックの開発車両と共通する部分も見られる。一方で「Acura Hybrid SUV Prototype」は、より彫刻的なボディに加え、攻撃的なフロントバンパーの吸気口、引き締まったショルダー、V字型のテールライトを備える。そのシルエットは2026年1月に公開されたティザー画像と一致しており、RDXの後継機種であることは間違いない。
新世代ハイブリッドプラットフォームと技術革新
両車種は2027年に投入予定の次世代ハイブリッドプラットフォームを採用。生産コストを30%削減するとともに、2023年比で燃費を10%以上向上させることを目標としている。また、新しい電動AWDユニットの搭載に加え、運転性能の向上も図られる。さらに、2028年には新世代ADAS(先進運転支援システム)スイートの投入が計画されている。
地域別戦略:北米、日本、インド、中国
ホンダはハイブリッド車の展開において、北米を「主要な重点地域」の一つと位置付けている。2029年には、北米市場向けにDセグメント以上の大型ハイブリッド車を投入し、地域特有のニーズに対応する方針だ。
日本市場:戦略転換後、同社は地域別のニーズに合わせた製品展開を強化。電動化された軽自動車に注力し、2028年にデビュー予定の「N-Box EV」を皮切りに、電動化を推進する。また、次世代ハイブリッド技術とADASは「ヴェゼル」の改良モデルに導入され、さらに「スポーツライン」と「トレイルライン」のトリムレベルが追加される予定だ。
インド市場:同社はコンパクトカーとミッドサイズカーの投入を2028年に計画。同時に、二輪車事業への投資も継続する。
中国市場:同市場では、現地の標準化部品を活用し、中国パートナーのプラットフォームを用いた新たな電動車の投入を計画。中国市場の複雑な状況に対応する戦略を展開する。
「EV戦略の見直しにより、ハイブリッド技術を中核に据えた新たな方向性を打ち出すことで、グローバルな競争力を維持し、お客様の多様なニーズに応える」
— ホンダ幹部
ハイブリッド技術へのシフト
ホンダは、EV開発の大幅な見直しを迫られた結果、ハイブリッド技術を中核に据えた戦略転換を図っている。これにより、同社はグローバルな競争力を維持しつつ、環境規制や市場の多様なニーズに柔軟に対応する体制を整える方針だ。