白人至上主義系ポッドキャスター、ニック・フエンテスの支持者であるジョン・ローレンスは、7月20日、CNN記者ドン・オサリバンによるインタビューを受けた際の写真をInstagramに投稿した。ローレンスは自身のフォロワー4万人以上に向けて、フエンテスの発言を切り抜いた動画を日常的に配信しており、このインタビューは彼にとってさらなる注目を集める機会となるはずだった。
ローレンスは投稿のキャプションで、自身と友人がオサリバン記者よりも「モッギング(外見や存在感で圧倒すること)」していたと主張したが、状況は一転した。インタビュー未公開映像の写真が拡散される中、フエンテス本人が突如として反応し、ローレンスと別の支持者の外見を激しく非難したのだ。
「誰かすぐに私を殺してくれ」とフエンテスはTelegramに投稿し、ローレンスのダサなベージュのローファーシューズを拡大して見せた。さらに「BMIが+25以上で、そんな服装をして私を代表するな」と続け、フエンテスの顔写真がプリントされたシャツを着た2人がオサリバン記者と並んで歩く写真を添付した。
フエンテスはさらに、アニメーション番組「ファミリーガイ」のキャラクター、ピーター・グリフィンが窓から飛び降りる様子の画像を投稿し、暗に自殺を示唆。支持者たちもこれに同調し、ローレンスの腹部がシャツからはみ出た不恰好な姿を描いたイラストを拡散した。また、プロのストリーマー「Beardson Beardly」はオンラインチャットで、ローレンスが「ドクシングされて人生を破滅させられるのが待ち遠しい」と発言した。
注目すべきは、この批判がローレンスの発言内容に対するものではなく、外見を理由とした容姿差別と見た目に対する嘲笑に基づいている点だ。フエンテスがかつての支持者に対してこれほどまでに激しい態度に出た背景には、グロイパーと呼ばれるコミュニティ内部の深刻な問題が浮き彫りになった。
グロイパー・コミュニティの内部対立
グロイパーとは、フエンテスが主宰するオンライン・コミュニティで、白人至上主義や保守主義を掲げる若者たちを中心に形成されている。しかし、このコミュニティ内では外見や体型に対する過剰な評価が常態化しており、ローレンスのケースはその象徴的な事例となった。
フエンテスの支持者たちは、しばしば「モッギング」という言葉を用いて、対象者の外見や存在感を否定的に評価する。しかし、今回の一件では、フエンテス自身が支持者の外見を理由に激しく非難したことで、コミュニティ内の矛盾が露呈した形だ。支持者たちはフエンテスの発言に同調し、ローレンスを嘲笑する動きが広がったが、これは単なるネット上のいじめにとどまらず、コミュニティの価値観そのものの矛盾を示している。
ローレンスのケースは、ソーシャルメディア上の過激な言動がエスカレートする典型例であり、特にオンライン・コミュニティ内での内輪もめがいかに容易に拡大するかを物語っている。フエンテスの支持者たちは、しばしば「反体制」や「真実を語る」といったスローガンを掲げるが、その実態は外見や体型に基づく差別と排除の論理が支配的だ。このような内部対立は、グロイパー・コミュニティの持続可能性に疑問を投げかけるものと言えるだろう。