シェブロン、テキサス州でデータセンター向け発電所建設へ
米テキサス州西部で、シェブロンの子会社「Energy Forge One」が、データセンター専用の大規模天然ガス発電所建設に向け、州からの巨額減税を申請した。同発電所の電力は一般家庭ではなく、将来的にマイクロソフトが利用する可能性があるデータセンターに供給される見通しだ。
州の減税プログラムを活用
同社は2023年に施行されたテキサス州の「Jobs, Energy, Technology, and Innovation(JETI)法」に基づく減税を申請。このプログラムは、州内に大規模インフラを建設する企業に対し、雇用創出と税収増を条件に、学校区税の減免を提供するものだ。同プログラムの下で発電所が減税対象となるのは今回が初めてとなる。
マイクロソフトとの独占契談が進行中
2024年3月、同プロジェクトに関する報道を受け、シェブロンはマイクロソフトと投資ファンド「Engine 1」との間で「独占契談」を締結したと発表。しかし、シェブロンの広報担当者は、減税の対象はあくまで発電所のみであり、データセンター自体には適用されないと強調した。また、現時点でマイクロソフトとの電力購入に関する「正式合意」は存在しないとしている。
「現在、マイクロソフトはシェブロンと協議中であり、商業条件は未確定で、正式合意には至っていません」
— マイクロソフト インフラ担当法務部長 リマ・アライリー
10年間で2億ドル超の節税効果
州の資料によると、同プロジェクトによりシェブロンは10年間で2億2,700万ドル以上の節税効果を見込んでいる。減税額は発電所の規模や投資額によって変動するが、州が負担するため、地元の学校区に経済的損失は生じない仕組みとなっている。
データセンターへの注目と批判が高まる中
同プロジェクトは、データセンターの電力需要増大と公的な批判が高まる中で実施される。テキサス州では、データセンター向けの減税・優遇策により年間10億ドル以上の税収が失われているとの指摘もある。マイクロソフトは2024年1月、データセンターを建設する地域社会に対し、「適正な地元税の支払い」を含む「良き隣人」となることを公約していた。
JETI法の仕組みと今後の展望
JETI法は、大規模プロジェクトがもたらす雇用や経済効果を考慮し、学校区税の減免額に上限を設ける。同プロジェクトは2024年2月に地元のペコス・バーストウ・トイヤ教育委員会により承認された。州が減税分を負担するため、学校区の財政には影響しない仕組みだ。
シェブロン側は、同減税が「新たなエネルギーインフラを支援するためのものであり、データセンター自体には適用されない」と強調。今後、プロジェクトの詳細やマイクロソフトとの契約内容が明らかになるにつれ、同地域のエネルギー政策や経済への影響が注目される。