米国の憲法学者であり、ハーバード大学ロースクール教授のジャック・ゴールドスミス氏は、ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)がリークされた最高裁判決文書を恣意的に報道したとの批判を発表した。

ゴールドスミス氏は自身のブログ「Executive Functions」で、オバマ政権の「クリーンパワープラン(CPP)」に関する最高裁の暫定命令について、NYTが文書の内容を歪曲して報じたと指摘。特に、同命令が下級審の審理前に大統領府の政策を停止させた歴史的な事例であった点を強調した。

同氏は、最高裁が大統領の政策に対して暫定的に介入する「現代的な関与」の始まりが、2016年のCPP命令にあるとの見解を示した。さらに、同命令が「影の文書(Shadow Papers)」と呼ばれるリーク文書に基づく報道であったことにも言及。NYTの報道が、証拠よりも記者の先入観に基づいていた可能性を指摘した。

NYTの報道手法に対する具体的な批判

ゴールドスミス氏は、NYTがリーク文書をどのように解釈し、報道したかについて、以下の点を問題視した。

  • 恣意的なフレーミング:文書の内容を、証拠に基づかずに特定の政治的立場に沿うように報道していた。
  • 最高裁長官への偏見:特に、当時の最高裁長官に対する報道が、事実よりも先入観に基づいていた可能性がある。
  • 公的記録の活用不足:リーク文書だけでなく、関連する公的記録(弁論要旨など)を十分に活用していなかった。

同氏は、リーク文書そのものや関連資料は公開されているため、読者が自ら判断できる状況にあったと強調。その上で、NYTの報道が「事実よりも記者の意見に寄りすぎていた」との見解を示した。

法学者間での議論の広がり

ゴールドスミス氏の批判は、憲法学者のウィル・バウディ氏など他の専門家からも支持を得た。リーク文書の公開により、報道の透明性は確保されたものの、その解釈をめぐる議論は今後も続く見通しだ。

同ブログ記事は、法曹界やメディア関係者の間で注目を集めており、最高裁の判断が持つ憲法上の意義についての議論がさらに活発化する可能性がある。

出典: Reason