機関投資家の資金流入がビットコイン回復をけん引

暗号資産投資商品に3週連続で10億ドルを超える資金流入が続き、直近週(4月21~27日)には12億ドルを記録した。CoinSharesの最新データによると、このうちビットコインが9億3300万ドル、イーサリアムが1億9200万ドルを占めた。地域別では米国が11億ドルの需要をけん引し、運用資産総額は1550億ドルに達した。これは2025年2月1日以来の高水準だが、2025年10月のピーク2630億ドルには及ばない。

FRBの政策判断が注目される3週間の流れ

CoinSharesは、3週間にわたる資金流入の要因として機関投資家の需要回復を挙げつつ、4月28~29日のFOMC(米連邦公開市場委員会)の政策判断に対する慎重な見方を示した。4月13~27日の週では、11億ドル、14億ドル、12億ドルと連続で資金流入が続き、運用資産総額は1550億ドルに膨らんだ。

需要回復の構造的な裏付け

今回の資金流入は、単なる一時的な現象ではなく、複数の指標が同時に示す構造的な需要回復の兆しとされる。まず、規制されたデリバティブ市場では、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)が2025年第1四半期に暗号資産の平均日次取引高を前年同期比で57%増の31万契約に拡大。平均日次未決済高も25%増の31万3900契約に達し、資本が市場に滞留していることが示された。これは、長期的なポジション保有の意向を反映している。

CoinSharesのレポートによると、過去3週間でブロックチェーン関連株式ETFが6億1700万ドルの資金流入を記録。機関投資家が暗号資産そのものだけでなく、関連インフラへの投資も拡大していることがうかがえる。また、企業の資金管理部門によるビットコインの積極的な買い入れも続いている。

4月27日にStrategyがSECに提出した書類によると、4月20~26日に3273ビットコインを追加購入。保有残高は81万8334ビットコイン、取得原価は618億ドルに達した(Bitcoin Treasuries調べ)。香港上場のBitfireは、1年以内に規制された「Alpha BTC」戦略で1万ビットコイン以上の取得を目指しており、Avenirは2025年末時点でブラックロックのIBIT(イーサリアムETF)に9億800万ドルを投資していた。

米国企業の資金管理部門、アジアの規制された資産運用会社、グローバルな投資商品が同じ方向に動くことで、今回の需要回復は構造的なものであることが示唆される。単一の週次流入報告だけでは見えてこない、より広範な資本の動きが背景にある。

DefiLlamaのデータによると、ステーブルコインの時価総額は3207億ドルで、30日間で1.73%増加。これは、ビットコインへの資本投入を支えるインフラが拡大していることを示す。

市場構造の変化とリスク要因

一方で、需要回復が定着したと見るには時期尚早だ。Glassnodeの4月22日のレポートによると、ビットコインは「真の市場平均価格(True Market Mean)」の7万8100ドルを回復したが、短期保有者のコストベースである8万100ドルが当面の抵抗水準となっている。ETFの資金流入は再びプラスに転じたものの、スポット需要は回復の兆しを見せ始めたばかりだ。

Glassnodeはまた、短期保有者の利益確定額が1時間当たり440万ドルに達し、今年のこれまでの局地的な高値を示す150万ドルのしきい値の約3倍に上ったと報告。このペースで利益確定が続けば、市場は歴史的に吸収が難しい状況に陥り、一時的な調整や下落に見舞われる可能性がある。

Glassnodeのスポット市場分析によると、バイナンスの累積出来高デルタ(CVD)が最近の買い圧力をけん引しており、コインベースも同様の動きを示している。

FRBの金融政策がビットコイン相場の行方を左右

機関投資家の資金流入が続く中、FRBの金融政策がビットコイン相場の行方を左右する重要な要因となる。4月28~29日のFOMCでは、金利政策や量的引き締めの方向性が示される見込みで、市場関係者は慎重な見方を示している。ビットコインはFRBの政策に大きく影響されるため、今後の動向が注目される。