フィアット500e、米国で在庫処分が加速

米国のフィアット販売店で、電気自動車「500e」の在庫処分が急速に進んでいる。一部の店舗では、最大15,000ドル(約220万円)を超える大幅な値引きが実施されており、販売競争が激化している。

2024年モデルの「500e INSPI(RED)」を扱うバージニア州ノーフォークのSouthern Dodge Chrysler Jeep Ram Fiatでは、定価34,095ドルの車両が19,134ドル(14,961ドル引き)で販売されている。同車両は過去に25,071ドルで出品されたが売れなかった経緯があり、在庫処分の深刻さがうかがえる。

より新しい2025年モデルでは、イリノイ州のHawk Chrysler Dodge Jeep Ram Fiatが「500e Armani Edition」を定価37,495ドルから21,988ドル(15,507ドル引き)で販売中だ。フロリダ州のTaverna Chrysler Dodge Jeep Ram Fiatでも同様のArmani Editionが12,254ドル引きで提供されている。

米国市場での販売苦戦が背景に

フィアットの米国市場における「500e」の販売は、極めて厳しい状況にある。2024年の第1四半期の販売台数はわずか68台で、1日あたりの販売台数は1台未満、月間でも23台にとどまった。これは、2023年に販売終了した「500X」よりも少ない数字であり、ブランドの米国市場における存在感の低下を象徴している。

さらに、連邦税額控除の廃止により、電気自動車の購入インセンティブが失われたことで、状況は悪化の一途をたどっている。在庫過多も深刻で、オンライン調査によると、全米の販売店に100台以上の在庫があり、これは5ヶ月分の販売量に相当するという。

2026年モデルの投入も未定

フィアットは2021年に米国市場に再参入したが、かつては「124 Spider」など多様なモデルを展開していたものの、現在は「500e」一本に絞られている。さらに、2026年モデルの投入も未定であり、ブランドの米国市場からの事実上の撤退が懸念される状況だ。

一方で、ステランティスは連邦税額控除に代わる全国的なインセンティブとして、最大7,500ドルの補助金を提供している。しかし、この取り組みが販売回復につながるかは不透明だ。

「フィアット500eの販売不振は、電気自動車市場の競争激化とブランド力の低下が原因だ。在庫処分は一時的な対応に過ぎず、根本的な戦略転換が求められる」
—— 自動車アナリストのコメント

今後の展望と購入を検討する際のポイント

  • 在庫処分のタイミング:大幅な値引きは今後も続く可能性が高く、販売店によってはさらに値下げ交渉の余地がある。
  • 全国インセンティブ:ステランティスが提供する7,500ドルの補助金との併用で、実質的な負担を抑えることが可能。
  • モデルの選択肢:2024年モデルと2025年モデルで価格差が大きいため、予算に応じた選択が重要。
  • 販売店の在庫状況:一部の店舗では在庫が少なくなっており、早めのアプローチが必要。
出典: CarScoops