米首都ワシントンのワシントン・ヒルトンホテルで4月26日夜、発砲事件が発生した。同ホテルでは当時、ドナルド・トランプ前大統領がホワイトハウス記者協会(WHCA)主催のディナーに出席していた。事件発生直後、ホテル周辺は一時封鎖され、関係者が避難する事態となった。
同ホテルは、1981年にジョン・ヒンクリー・ジュニア容疑者が当時のロナルド・レーガン大統領とジェームズ・ブレイディ報道官を銃撃した事件の舞台としても知られる。ブレイディ報道官はその後、銃規制法「ブレイディ法」の名前の由来となった人物だ。同法は1997年のPrintz v. United States判決で争われた歴史的な裁判の対象となった。
筆者は過去2年間、連邦主義協会の全国弁護士会議が同ホテルで開催されていたことから、度々滞在していた。2023年にメイフラワー・ホテルへの移転が発表され、2024年の会議では新たなホテルでの体験が否定的なものであったと振り返っている。2026年からは再びメイフラワー・ホテルで開催される予定だが、ワシントン・ヒルトンの治安リスクについて指摘する。
同ホテルは機能的なホテルである一方で、地下のボールルームで「強化された」イベントが開催される場合でも、建物内外には数千人の宿泊客が出入りしている。昨年11月の会議では、副大統領が海兵隊誕生パーティーで講演していた際、ホテル宿泊客としてセキュリティ検査を通過。その後ジムへ向かったところ、地下に位置するボールルームへ容易に近づくことができたという。イベント終了後も磁気センサーが撤去された状態で、制限区域への侵入が可能だったという実体験から、会場への不正侵入の容易さが懸念される。
現在、トランプ前大統領が「ブレイディ報道室」で演説を行う予定となっているが、同ホテルの治安体制に対する疑問が浮き彫りとなっている。