中国政府の圧力が招いた突然の中止
世界最大のデジタル人権会議「ライツコン(RightsCon)」が、開催直前の4月27日にザンビア政府によって中止に追い込まれた。主催団体のアクセス・ナウ(Access Now)によると、中国政府が台湾の市民団体関係者を含む登壇者リストに反発し、ザンビア政府に圧力をかけたことが原因だという。
開催前日に判明した中止通知
当初は4月30日からザンビアで開催される予定だったライツコン。世界各国から集まった参加者や登壇者が空港に到着する中、ザンビアの入国管理当局は「会議が中止された」と通告。ザンビア政府はFacebookに「会議が延期された」とする曖昧な発表を掲載したが、最終的にアクセス・ナウは会議の中止を発表し、参加者に来 Zambian への渡航を控えるよう呼びかけた。
数年にわたる準備が水の泡に
ライツコンは毎年開催される大規模な会議で、開催までに数年の準備期間を要し、500以上のセッションと数千人の参加者を集める。開催国との調整も膨大な作業が必要で、開催5日前の直前中止は極めて異例の事態だ。
中国政府の圧力の実態
アクセス・ナウは4月27日にザンビア政府からの電話で、中国政府が「台湾の市民団体関係者が現地で参加する」ことに反発し、外交圧力をかけているとの報告を受けた。同団体は直ちに反論したが、その後も中国政府からの圧力が続く中、台湾の参加者との連絡を強化したという。
登壇予定者には、台湾ネットワーク情報センターのCEOであるJo-Fan Yu氏や、アムネスティ・インターナショナル台湾のディレクターE-Ling Chiu氏が含まれていた。中国は台湾を自国の領土とみなしており、世界各国に台湾の独立を認めないよう圧力をかけてきた歴史がある。
ザンビア政府の曖昧な説明
ザンビア政府はアクセス・ナウに対し、Facebook上で「会議延期の理由は、議論される重要テーマに関する包括的な情報開示が必要なため」と説明。さらに「ザンビアの国家価値観と公共の利益に合致させるため」とも述べたが、その内容は極めて抽象的だった。
「ライツコンのような大規模な会議を、開始1週間前に中止することは不可能だ。数千人を集め、500以上のセッションを企画するには、1年以上の準備が必要だからだ」
アクセス・ナウ
台湾問題が浮き彫りにした国際的な圧力
今回の出来事は、中国が台湾の存在を認めさせないために国際社会に及ぼす影響の一端を示した。台湾の市民団体やNGOが国際会議に参加すること自体が、中国にとっては「主権侵害」とみなされる可能性がある。アクセス・ナウは今後も開催地の安全性を確保するため、慎重な対応を迫られることになる。