米国の任天堂ユーザー2人が、同社が受領する見込みの関税還付金を消費者に還元するよう求め、集団訴訟を提起した。カリフォルニア州とワシントン州在住のGregory Hoffert氏とPrashant Sharan氏は、10月22日、米国西部ワシントン地区連邦地裁に提訴した。
原告らは、米国関税局が新たに開設した関税還付ポータルを通じて任天堂が受け取る還付金を、消費者に返還するよう求めている。関税還付の対象となったのは、2018年に当時のトランプ大統領が「国際経済緊急権法(IEEPA)」に基づき課した関税だ。最高裁は2022年、この関税が違憲であるとの判断を下した。
その後、米国税関・国境警備局(CBP)は関税還付プロセスの簡素化を発表。多くの企業が関税還付を申請したが、任天堂もそのうちの1社だった。同社は2023年3月、米政府を相手取り関税還付を求める訴訟を起こした。しかし、CBPが還付ポータルを開設したことで、同訴訟は一時中断されていた。
関税負担は消費者が負担していた?
原告側弁護士は訴状で、「任天堂はすでに関税コストを商品価格に転嫁して消費者から回収しており、今度は不当な関税支払いを連邦政府から回収しようとしている」と指摘。関税の経済的負担は原告らを含む消費者が負っていたと主張している。
任天堂は関税が課された直後に発売予定だった「Nintendo Switch 2」の予約を延期したが、本体価格は据え置かれた。その一方で、Nintendo Switch本体やSwitch 2アクセサリー、オリジナルSwitch本体の価格を引き上げていた。
訴状によれば、任天堂は関税期間中、「強い、時には改善傾向にある財務状況」を報告していた。同社の古川俊太郎社長は5月の決算発表で、関税や生産問題が売上予測に影響を与えないと述べ、2024年度の販売台数を1500万台と見込んでいた。実際、2024年2月までにNintendo Switch 2の販売台数は1800万台に達していた。その一方で、古川社長は関税が「数百億円規模の利益への悪影響を及ぼした」とも発言していた。
今後の展開と他社への波及
今回の訴訟は集団訴訟として認められる必要があり、原告側弁護士は「クラス(集団)の規模は数十万人から数百万人に及ぶ可能性がある」としている。同様の訴訟はコストコなど他社に対しても行われており、消費者側の動きが広がりつつある。
任天堂が還付金をどのように扱うのか、また消費者に還元されるのかが注目される。