米司法省は28日、アンソニー・ファウチ元米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長の元上級顧問、デイビッド・モレンズ氏を連邦透明性法違反の疑いで起訴した。

モレンズ氏は新型コロナウイルス研究資金の再開を巡り、情報公開法(FOIA)を回避するため、私的なGmailアカウントでのやり取りを指示していたことが明らかになった。また、ファウチ氏との連絡を「ファウチ氏の自宅や職場で直接手渡す」などと述べ、記録の隠蔽を図っていた疑いがある。

モレンズ氏はFOIA請求を受けた際に「メールを消す方法をFOIA担当者から学んだ」とも記していた。彼の主なメール相手は、武漢ウイルス研究所との共同研究で知られるエコヘルス・アライアンスの元代表、ピーター・ダザック氏だった。

米司法省は「これらの行為は、パンデミックの最中に国民が最も信頼を必要とした時期に、深刻な信頼の乱用だ」と非難。エコヘルス・アライアンスは、米政府からの資金を用いて「機能獲得研究」(ウイルスをより感染力・毒性の強い形に改変する研究)を武漢ウイルス研究所で実施していた疑いが浮上している。

同団体は2020年4月にトランプ政権下で資金提供を停止され、バイデン政権末期には透明性不足を理由に連邦資金の受領資格を剥奪された。また、ダザック氏はモレンズ氏にワインを贈呈し、自身への支援を依頼していた疑いも明らかになった。

FISA再認可を巡る議論が混迷

同日、米下院は外国情報監視法(FISA)第702条の再認可を巡る採決を延期した。同条項は外国の監視対象者との通信を裁判所の令状なしで傍受できるが、プライバシー保護の強化を求める声が高まっている。

FISA第702条は木曜日までに失効する見通しで、議会は再認可の是非を巡り激しい議論を続けている。同法は「第四修正条項の大きな抜け穴」と批判されており、米国民の通信も監視対象となる可能性がある。

出典: Reason