カリフォルニア州で繰り返されたハラスメント疑惑

ジェイソン・アガン氏は、カリフォルニア州フェアフィールドにあるアンジェロ・ロドリゲス高校で20年以上にわたり教鞭を執った人気教師だった。生徒会を運営し、応援団の指導やプロムの企画を手掛けるなど、校内で大きな存在感を放っていた。しかし、複数の卒業生への取材によると、アガン氏の行動に不快感を抱く生徒が少なくなかったという。

被害を訴える生徒らは、アガン氏が公然と身体に触れたり、肩を揉んだりしたと明かした。また、女子生徒の服装を厳しく指摘するなど、ハラスメント行為が常態化していたという。2018年には少なくとも11人の生徒と1人の保護者が、アガン氏の行動に関する書面による苦情を学校に提出。これを受け、同校は2019年1月にアガン氏を停職処分とした。

「教職に不適格」との判断も、州は教壇復帰を容認

アガン氏は解雇処分に対し異議を申し立て、州が設置した独立審査委員会で「教職に不適格」と判断された。この決定により、同校での教職は事実上終わりを告げた。しかし、この審査はフェアフィールド・スイスン統一学区に限定されたもので、州の教員免許機関がさらなる処分を検討することとなった。

ところが、その後もアガン氏は他校で教師として採用され続けた。州の教員免許機関は、アガン氏が最初の学校で起こしたハラスメント行為に対し、教員免許の一時停止処分(1週間)を科したのみだった。さらに、2校目で8年生の女子生徒から再び触れる行為の疑惑が浮上したが、州は他校や保護者に対し、アガン氏の過去の問題行為について一切通知しなかった。

被害者の声と州の対応の不備

被害を受けた生徒の一人は、「アガン氏は生徒にとって安全な場所を作ると公言していたが、実際はハラスメントの場だった」と語った。また、州の教員免許機関がアガン氏の問題を他校に伝えなかったことで、新たな被害が生じた可能性が指摘されている。

アガン氏(47歳)は取材に対し一切応じておらず、報道機関からの電話やメール、郵便物にも反応しなかった。2017-18年度の卒業アルバムでは、「すべての生徒が安心して過ごせる場所を作る」との目標を掲げていたが、実際の行動は真逆だったことが浮き彫りになった。

教員免許制度の課題と再発防止策

この事例は、カリフォルニア州の教員免許制度における情報共有の不備を浮き彸らかにした。州の教員免許機関は、教師の過去の問題行為について、関係者に適切に通知する義務があるにもかかわらず、アガン氏のケースではそれが果たされなかった。

専門家らは、教員免許の更新審査やハラスメント研修の強化、被害者保護の徹底など、再発防止策の見直しを求めている。一方で、アガン氏のようなケースが今後も繰り返されないよう、州当局の対応が注目されている。

「教師のハラスメントは、生徒の心身に深刻な影響を与える。州は被害者の声を真摯に受け止め、再発防止に取り組むべきだ」
—— 教育問題専門家のコメント

出典: ProPublica