共和党内で、トランプ前大統領が司法省を利用して個人的な敵対者を追及する「報復路線」に対する懸念が高まっている。中間選挙を目前に控え、党内からは選挙戦の勝利に必要な政策重視への転換を求める声が上がるが、トランプ氏は自身の方針を変えることはない。

トランプ政権は12日、元FBI長官ジェームズ・コミー氏と、ホワイトハウス医療顧問アンソニー・ファウチ氏の側近に対する告発を発表した。しかし、不人気な中東戦争、続く移民追放、低迷する雇用市場、高止まりするガソリン価格など、国民の関心事から目を背けたこの動きは、当然ながら支持を得られていない。

CNNの3月時点の世論調査によると、66%のアメリカ人が、大統領が国内で最も重要な課題に十分な注意を払っていないと回答。これは前年の52%から大幅に増加した数字だ。

共和党内部からの批判的な声

保守系戦略家のバレット・マーソン氏は、「共和党議員が選挙公約に『トランプの報復路線を支持する』と書きたがるはずがない」と述べた。

長年トランプ氏を批判してきた共和党の政治コンサルタント、ウィット・エアーズ氏も同様の見解を示す。「これは、大統領と司法省が取り組むべき課題とは正反対の方向性だ」と語り、「多くのアメリカ人がインフレや経済、イラン戦争の行方を懸念している」と指摘した。

司法委員会メンバーも疑問視

上院司法委員会メンバーでノースカロライナ州選出のトム・ティリス議員も、コミー氏に対する司法省の訴追に懐疑的な見方を示した。同訴追は、コミー氏が昨年Instagramに投稿した貝殻アート写真を根拠としている。貝殻で「86 47」と書かれていたが、司法省はこれをトランプ氏の命を脅かすものと主張している。

ティリス議員は「私は何度も『86』という言葉を使ったが、誰かを殺す意図で使ったことはない」と述べ、「U.S.アトーニーのW・エリス・ボイル氏には、麻薬・人身売買犯罪者の摘発に注力してほしい」と強調した。

民主党優位の選挙戦況

最新の選挙予測では、民主党が11月の下院選挙で過半数奪還の可能性が高いとされている。上院についても、民主党が議席を獲得する可能性は50%と見られている。議席奪還を目指す共和党にとって、政策面での成果が必要不可欠だが、体調不良が伝えられるトランプ氏からは、党にとってプラスとなる動きはほとんど見られない。