米国最高裁判所は6月26日、ルイジアナ州の選挙区改定案を違憲とする判決を下した。この判決は、選挙権法の重要な柱である「投票権法」を大きく制限するもので、人種を考慮した選挙区割りを禁じた憲法上の原則を再確認する内容となった。
判決は6対3の保守派優勢で、多数意見を執筆したサミュエル・アリート判事は、ルイジアナ州が選挙区改定に際して人種を考慮する必要はなかったと指摘。州が作成した選挙区改定案「SB8」は、憲法上の「人種差別的ゲリマンダー」に該当すると結論付けた。一方、エレナ・ケイガン判事らは反対意見を表明した。
ルイジアナ州の選挙区改定の経緯
2020年の国勢調査後、ルイジアナ州議会は新たな選挙区図を作成した。当初は黒人有権者が多数を占める選挙区が1つのみだったため、黒人有権者グループが「投票権法第2条」に基づき差別的な選挙区割りだと提訴。連邦地裁は原告側の主張を認め、州に選挙区の再改定を命じた。
その後、州は黒人有権者が多数を占める選挙区を2つに増やした選挙区図を作成したが、今度は「非アフリカ系アメリカ人」を名乗る有権者グループが、選挙区改定に人種が考慮されたことを理由に憲法違反(平等保護条項違反)だと提訴した。連邦判事団は一時的に選挙区図の使用を差し止めたが、最高裁はこれを一時停止し、州は選挙区図を暫定的に使用していた。
選挙権法の今後への影響
今回の最高裁判決は、ルイジアナ州の選挙結果に長期的な影響を与えるだけでなく、投票権法に基づく差別的選挙区割りの是正手段を著しく制限することになる。投票権法は1982年の上院司法委員会報告書によると、「少数派グループに対する差別を防ぐため、選挙区を不当に大きく設定すること」を禁じているが、今回の判決はこうした規定の実効性を弱める可能性がある。
「投票権法はルイジアナ州に対し、追加の多数派マイノリティ選挙区を設けることを義務付けていない。州が選挙区改定に人種を考慮する正当な理由はなく、SB8は違憲な人種差別的ゲリマンダーである。」
— 米最高裁判所判決文(ルイジアナ州対カレー事件)
専門家らは、この判決が今後の選挙区改定に与える影響について懸念を示しており、特に南部諸州におけるマイノリティの選挙権保護が一層困難になる可能性が指摘されている。