米連邦政府は間もなく、医療費の想定外請求を防ぐ「No Surprises Act」の仲裁プロセスに関する重要な改正案を発表する見込みだ。これに先立ち、医療機関と保険者が官公庁との面会や資料提出を通じて、最終的なルール策定に影響を与えようと活動を活発化させている。

医療機関側が圧倒的に有利なロビー活動

関係当局によると、2024年に入ってから、独立紛争解決手続き(IDR)の運用ルールに関する最終規則策定に向け、官公庁と業界団体との面会が20回実施された。このうち、保険者またはその業界団体との面会はわずか4回にとどまったのに対し、医療機関またはその業界団体との面会は13回に上った。残りの3回は他業種との面会だった。

関係当局は、ステークホルダーからの要望に応じて面会を実施し、各業界の優先事項や関連資料の提出を受け付けている。しかし、医療機関側が圧倒的に多くの機会を得ている実態が浮き彫りとなった。

改正案の主なポイント

2023年11月に、米保健福祉省、労働省、財務省、人事管理局の4省庁が発表した暫定ルール案には、以下のような改正点が含まれている。

  • 請求の一括処理要件の見直し:複数の医療機関や保険者が関与するケースでの請求処理方法の明確化
  • 事前交渉の透明性向上:仲裁に至る前の交渉プロセスの公開性を高める
  • 手数料体系の変更:仲裁手続きにかかる費用の見直し

これらの改正は、医療費の透明性向上と患者負担の軽減を目指すNo Surprises Actの目的に沿ったものだが、具体的な運用ルールが業界間の利害調整によって左右される可能性がある。

業界団体の反応

保険者団体からは、医療機関側の強い影響力に対する懸念の声が上がっている。ある保険業界関係者は「医療機関側の主張が優先されることで、保険者の負担が増加し、結果的に患者の保険料に影響する可能性がある」と指摘した。

一方、医療機関側は「患者の負担軽減と公平な医療サービスの提供を実現するためには、仲裁プロセスの透明性と公正性が不可欠」と主張している。

今後の展開

最終規則の発表時期は未定だが、関係当局は業界からの意見を踏まえながら、バランスの取れたルール策定を目指すとしている。今後も官公庁との面会やパブリックコメントを通じて、業界間の調整が続けられる見込みだ。

出典: STAT News