米国の高等教育が直面する危機的状況について、ペンシルベニア大学の歴史学者ジョナサン・ジマーマン教授が論じている。同教授のエッセイ「大統領と大学」は、昨年3月に開催された教育学者会議での出来事から始まる。
会議の冒頭パネルは、ドナルド・トランプ前大統領による大学資金削減やキャンパスの表現の自由への脅威について議論していた。ジマーマン教授は、トランプへの批判に同意しつつも、高等教育関係者がこの状況を招いた責任についても問いかけた。教授は「鏡を見る」機会を求めたが、会場は沈黙に包まれた。
その後、聴衆の一人が「鏡を見る」という表現がネイティブアメリカンの歴史的迫害を想起させ、深く侮辱的だと発言。モデレーターは「言葉の使い方に注意が必要」と述べ、議論は表面的な倫理的警告で締めくくられた。教授は「多くの大学が、民主主義的対話の向上を謳いながら、実際にはそれを信じていない」と指摘する。
ジマーマン教授によれば、大学はトランプの攻撃に対抗する一方で、長年にわたり高騰する学費と「公益」の名の下の自己満足がもたらした信頼の低下を無視してきた。教授は「大学は単に防衛に回るのではなく、自らのあり方を振り返る必要がある」と主張する。
同教授は、米国の多くの人々が大学を「価値の疑わしい学位を高額で提供する詐欺」と見なすようになったと分析。この状況を打開するには、教育機関が自らの役割と責任を再考し、社会との信頼回復に努めることが不可欠だとしている。
出典:
Reason