2025年上半期、暗号資産のオンチェーン手数料が9.7兆円に到達
暗号資産(暗号資産)のオンチェーン取引手数料が、2025年上半期に前年同期比41%増の9.7兆円に達し、記録上2番目の高水準を記録したことが明らかになった。分析会社1kxのレポートによると、この急増は暗号資産アプリケーションの普及加速が主な要因だという。
2026年には32兆円超の手数料が見込まれる
1kxは、2026年にはオンチェーン手数料が32兆円を超えると予測している。この成長は、分散型金融(DeFi)や新興アプリケーションの拡大によってもたらされている。その一方で、ビットコイン(BTC)価格の下落が、各プロトコルの手数料構造を「ストレステスト」する可能性があると同社は指摘する。
ビットコインとの相関性が手数料に与える影響
1kxの4月のセクター分析によると、暗号資産の手数料カテゴリーのほとんどが、ビットコイン価格と正の相関関係にあることが判明した。具体的には、流動性ステーキングが0.75、分散型物理インフラネットワーク(DePIN)が0.05と、セクターごとに相関性に大きなばらつきが見られる。
同社は、相関係数0.6であっても、ビットコイン価格の下落に対してセクター手数料が0.8倍で減少する場合と1.5倍で減少する場合では、その影響が大きく異なると分析している。例えば、流動性ステーキングやリスターキングは、価格上昇時に収益が拡大し、下落時には急速に縮小する「反射的な構造」を持つセクターだ。
「反射的手数料クラスター」の実態
1kxが「反射的手数料クラスター」と名付けたセクター群は、価格上昇時には手数料収入が増加し、下落時には急速に悪化する経済構造を共有している。具体的には、以下のセクターが該当する。
- 流動性ステーキング・リスターキング:預託資産の増加に伴い手数料収入が拡大し、資本とリスク appetite の低下とともに縮小する。
- Vault カストディアン:価格上昇時には資産流入が加速し、下落時には流出が加速する。
- Launchpad(新規ローンチプラットフォーム):センチメントが好調な Bull 市場では活動が活発化し、不安定化すると停滞する。
- 自動化プロトコル・DeFAI:トランザクション活動や戦略実行に連動した手数料収入が、市場センチメントと連動する。
レイヤー1ブロックチェーンの手数料構造の多様性
レイヤー1(L1)ブロックチェーンの手数料は、ネイティブトークンの価格変動やアクティビティミックスによって、ビットコインとの相関性が大きく異なる。1kxによると、多くのL1はネイティブトークンの価格変動を通じてビットコインの影響を受ける一方で、アプリケーション基盤によっては独立性を示すケースもあるという。
しかし同社は、ほとんどのL1が依然としてビットコインとの実質的な感応度を有していると指摘。これは、トークン価格の変動がオンチェーンアクティビティに与える影響が大きいためだとしている。
「反射性」がもたらす手数料構造のジレンマ
1kxは、これらのセクターの手数料成長が、単なるビジネスの拡大を示すだけでなく、リスク資産全体を押し上げるマクロ環境の追い風の影響も受けていると分析する。つまり、アップマーケット時の手数料成長は、一部がビジネスモメンタムを反映する一方で、他の部分はビットコインを含むリスク資産全体の上昇トレンドの一環として説明できるという。
「暗号資産の手数料は、アップマーケットではビジネスの成長を示す一方で、ダウンマーケットでは増幅されたビットコインベータとして機能する可能性がある」
リアム・アキバ・ライト(Liam 'Akiba' Wright)
DePIN:唯一の例外的存在
1kxのフレームワークにおいて、DePIN(分散型物理インフラネットワーク)はビットコインとの相関性が最も低いカテゴリーとして位置付けられている。これは、DePINが実体経済との連動性が高く、投機的な動きに左右されにくい構造を持つためだ。
同社は、DePINが暗号資産セクター全体のリスク分散に貢献する可能性を示唆している。