米国の第6巡回区控訴裁判所は12月19日、自宅でのアルコール蒸留を禁止する1868年の連邦法を支持する判決を言い渡した。同法は議会の課税権と「必要かつ適切条項」に基づくものとされ、同裁判所はその合憲性を認めた。

しかし、同判決は保守派のレイモンド・ケスリード判事が執筆したもので、その論理に批判が集まっている。同判事は、自宅蒸留の禁止が家庭外でのアルコール生産を促進し、結果的に税収増加につながると主張したが、専門家らはこの論理の妥当性に疑問を呈している。

第5巡回区控訴裁判所との判断の相違

同判決は、テキサス州を管轄する第5巡回区控訴裁判所が2023年に下した同法違憲判決と真っ向から対立する。第5巡回区控訴裁判所は、同法が「必要かつ適切条項」の範囲を超えていると結論付けた。

同法は税収確保を目的としているが、実際には課税や税収の徴収は行われていない。このため、第6巡回区控訴裁判所の判決は、同法が「必要」であるかどうかの解釈に依存している。

「必要」と「適切」の解釈が争点に

米国最高裁は2012年のNFIB v. Sebelius判決で、「必要かつ適切条項」の「適切」な権限は、列挙された権限の実施に付随するものでなければならないとの基準を示した。同法が自宅蒸留という家庭内活動を禁止することは、「独立した大きな権限」に該当するとの指摘がある。

「政府の論理によれば、議会は家庭内活動のほとんどを、課税対象となる活動の隠蔽の可能性があるという理由で犯罪化できることになる」
— 第5巡回区控訴裁判所のエドith・ジョーンズ判事

第6巡回区控訴裁判所は、アルコールが特殊なケースであると主張したが、専門家らはこの主張に対し、「事実に基づく判断の限界を超えるもの」と批判している。

今後の展望:最高裁での審議に注目

同判決により、連邦法の合憲性を巡る最高裁での審議が避けられない状況となった。これまでの判例や専門家の見解を踏まえると、最高裁が第6巡回区控訴裁判所の判決を覆す可能性も指摘されている。

アルコールに関する規制は、歴史的に税収確保の観点から厳格に運用されてきた。しかし、同法が自宅蒸留の禁止にまで及ぶことの是非については、引き続き議論が続く見通しだ。

出典: Reason