米下院の民主党議員2人が、フランスのエネルギー大手トタルエナジーズに対し、10億ドル規模の和解金を巡る不透明な取引について正式な調査を開始すると発表した。
カリフォルニア州選出の下院自然資源委員会筆頭理事であるジャレッド・ハフマン議員と、メリーランド州選出の下院司法委員会筆頭理事であるジェイミー・ラスキン議員は、10月16日にトタルエナジーズCEOのパトリック・プイヤン氏宛ての書簡を送付。同社の3月23日付けの和解契約に関し、法的な問題が少なくとも4点あると指摘し、全ての関連文書とメール、取引記録の保存を命じた。また、和解金9億2800万ドルの保全を求め、調査終了まで凍結するよう要求した。
国土安全保障を口実とした恣意的な解除か
議員らは4月6日にも米内務省とトタルエナジーズに対し、取引に関する文書と通信記録の提出を要請していたが、期限までに応じなかった。しかし、期限直前に内務省が和解契約書を公表したことで、議員らは「最悪の懸念が裏付けられた」としている。
和解契約書によると、内務省は「国家安全保障上の懸念」を理由にリースの操業停止を命じたとされる。しかし議員らは、同社が内務省と合意に達したとされる11月18日よりも前に国家安全保障上の懸念が報告された形跡がないことを指摘。この矛盾から、「国家安全保障評価は恣意的な口実であり、トタルエナジーズはリース解除の根拠が虚偽であることを知りながら和解交渉を行った可能性がある」と主張した。
また、プイヤンCEOが複数回にわたり「同社が自ら和解案を提案した」と発言していたことも、この見解を裏付ける根拠だとしている。
法令違反の可能性も指摘
議員らはさらに、和解金の額が法令に違反している可能性についても言及。米国の大陸棚リース法では、操業が開始されていないリースを政府が解除する場合、解除時点でのリースの「公正価値」を企業に支払うことが定められている。議員らは、2022年に同社が2つのリースに支払った額とほぼ同額の9億2800万ドルが「明らかに過大な支払い」だったと主張している。
ハフマン議員は声明で「この取引に関わった全ての書類、メール、領収書を入手し、関係者全員に説明を求める。トタルエナジーズよ、覚悟しておけ。我々はお前を追及する」と述べた。
この動きは、トランプ政権下で行われた2件の同様の和解発表の翌日に行われた。議員らは、国家安全保障上の懸念が恣意的に利用された可能性があるとして、さらなる調査の必要性を強調している。