米司法省は、南部貧困法律センター(SPLC)が過激派団体への情報提供者に報酬を支払っていた過去を巡り、同センターに対する犯罪捜査を開始したことを明らかにした。

SPLCは10月8日、同省からの通知を受け、調査対象となっていることを公表した。同センターのCEO、ブライアン・フェア氏は声明で「詳細な内容は不明だが、暴力的集団の監視に報酬制の情報提供者を活用していた点が焦点となっているようだ」と述べた。

フェア氏によると、SPLCは情報提供者を通じて過激派組織内の暴力の脅威を監視し、得られた知見を地元および連邦の法執行機関と共有してきたという。同氏は「情報提供者との連携を開始した当時は、公民権運動の最盛期で、教会爆破やデモ参加者への国家主導の暴力、活動家の殺害が相次ぎ、司法制度は無力だった。情報提供者から得た知見が命を救ったことは疑いの余地がない」と語った。

SPLCは「組織、職員、活動の正当性を徹底的に擁護する」と強調した。

設立の背景と保守派からの批判

アラバマ州モンゴメリーに本部を置くSPLCは、1971年に公民権運動を受け、白人至上主義団体と闘う目的で設立された。しかし、その後数十年にわたり、同センターの活動は保守層から「左翼寄りで党派的」との批判を浴びてきた。同センターは過激派団体の追跡、寛容の推進、差別撲滅のための訴訟などを行っている。

昨年、FBIのカシュ・パテル長官は、SPLCとの長年の協力関係を終了すると発表。同センターの研究成果を活用しない方針を示した。

トランプ政権の司法部「私物化」懸念

今回の捜査は、トランプ前大統領が2期目に入り、司法省を「反対勢力攻撃のための私的な法務部門」に変えようとしているのではないかとの懸念を再燃させた。同センターはこれまで、差別的な発言を繰り返す政治家やメディアを「ヘイトグループ」として公表してきた経緯があり、保守層からの反発を招いてきた。

SPLCは「法の下での公正な審査を受ける準備ができている」とコメントしている。