米国時間10月10日、米連邦最高裁はジェネリック医薬品メーカーが採用する「スキニーラベル」と呼ばれる戦略を巡る審議を開始した。この手法は、特許で保護されたブランド医薬品の特定の用途を除外し、特許侵害のリスクを回避する目的で用いられる。

具体的には、ジェネリック医薬品が特定の疾患に対する治療用途のみで承認を取得し、他の特許で保護された用途を除外することで、特許侵害訴訟を回避する戦略だ。例えば、心疾患治療薬のジェネリック版が、特定の心疾患にのみ適応されるケースがこれに該当する。

今回の審議の対象となったのは、心疾患治療薬「ヴァスケパ(Vascepa)」を手掛けるアマリン社と、大手ジェネリック医薬品メーカーの Hikma Pharmaceuticals 社との係争に関するもの。最高裁は、この戦略に関する法的基準の変更に消極的な姿勢を示したと報じられている。

アストラゼネカ、英国で研究開発拠点を再拡大

一方、英国ではアストラゼネカが研究開発(R&D)拠点の拡大計画を発表した。同社は10月10日、英国ケンブリッジの研究施設「ロザリンド・フランクリン・ビルディング」の建設再開と、マクルズフィールドに新たな研究所を建設する計画を発表した。総投資額は4億ドルに上る。

同社のCEO、パスカル・ソリオット氏は「デジタル技術とデータツールを活用し、医薬品開発を加速させる」と述べた。この計画は、昨年一時凍結されたもので、米国との貿易協定に基づく英国の医薬品支出に関する合意を受けて再開されることとなった。

アストラゼネカは、英国政府との医薬品支出に関する合意内容を巡り、他の製薬企業と同様に英国への投資計画を延期または中止していた。今回の貿易協定により、英国は医薬品の費用対効果を判断する基準を引き上げ、医薬品支出を増加させることとなった。

スキニーラベル戦略の今後

米国の医薬品業界では、ジェネリック医薬品メーカーがスキニーラベル戦略を活用することで、特許侵害のリスクを回避しつつ、市場参入を図るケースが増加している。しかし、この戦略が特許権の保護を弱体化させる可能性があるとして、ブランド医薬品メーカーから批判の声が上がっている。

今回の最高裁判決は、ジェネリック医薬品業界だけでなく、医薬品業界全体に大きな影響を与える可能性がある。今後の判決に注目が集まっている。

出典: STAT News