患者団体の評判、昨年から微増も課題は根強く

製薬業界の患者団体からの評判が昨年わずかに向上したことが、新たな調査で明らかになった。しかし、この改善は、一部の企業が患者ニーズへの対応を十分に重視していないという新たな懸念を覆い隠す形となっている。

世界35カ国の2,400以上の患者団体を対象とした調査によると、医薬品の開発・提供に関わる製薬企業の評判について、「優秀」または「良好」と回答した団体は57%に上った。これは2024年の56%からわずかに改善し、前年(2024年)と同水準に戻ったものの、2022年の60%を下回る結果となった。

評判向上の要因:患者中心主義と安全性

評判のわずかな改善の背景には、患者中心主義(患者ニーズの優先)と患者安全の確保が大きく寄与していると、調査を実施したリサーチ企業PatientViewは指摘する。同社は2025年12月から2026年3月にかけて、35カ国の患者団体を対象に調査を実施し、47社の企業評判を評価した。

依然残る課題:アクセスと価格

調査結果は、業界全体の評判が改善傾向にある一方で、医薬品へのアクセスのしやすさ価格設定に関する懸念が依然として根強いことを示している。多くの患者団体は、高額な医薬品や特許切れ後のジェネリック医薬品の供給不足など、アクセス面での課題を指摘している。

また、一部の企業が利益重視の経営方針を採る中で、患者ニーズへの対応が不十分であるとの批判も聞かれる。特に、慢性疾患やがん治療薬など、高額な医薬品に関しては、患者団体からの厳しい目が向けられている。

今後の展望と業界への提言

PatientViewの調査責任者は、「製薬企業は患者中心主義をさらに推進し、透明性の高い価格設定やアクセス改善に取り組む必要がある」と指摘する。また、調査結果を受けて、業界団体や規制当局に対しても、患者団体との対話を強化し、実効性のある施策を講じるよう求めている。

今後、製薬業界が患者団体からの信頼回復を図るためには、単なる評判の向上にとどまらず、具体的なアクションと成果が求められる。

出典: STAT News