中国のCATL(寧徳時代新能源科技)は、世界最大のEVバッテリーメーカーとして知られている同社が、充電時間を大幅に短縮した新型バッテリーを発表した。この技術は、EVとガソリン車の充電時間の差を実質的に解消する可能性を秘めている。
CATLの新型「第三世代 Shenxing Superfast Charging Battery」は、10%から80%までの充電をわずか3分44秒で完了する。さらに、10%から35%までの充電は1分で、10%から98%までの充電は6分27秒で可能だ。極寒環境下の-30度でも、20%から98%までの充電を9分で達成するという。
EVバッテリーの高速充電競争が激化
中国のEV・バッテリー業界は、世界的な競争力を維持しており、CATLの発表はその最前線を示すものだ。同社の株価は過去12ヶ月で89%上昇しており、米国自動車メーカー指数の53%を大きく上回っている。
CATLに先駆けて、BYDも3月に「Blade Battery 2.0」を発表していた。同バッテリーは、10%から80%までの充電に6分30秒、10%から97%までの充電に9分を要する。しかしCATLの新型バッテリーは、これらの数値をさらに上回る性能を実現した。
LFPバッテリーの優位性と普及拡大
CATLとBYDの両社が開発したバッテリーは、リチウム鉄リン酸(LFP)バッテリーと呼ばれる種類だ。LFPバッテリーは、ニッケルやコバルトを含まないため、コスト面で有利であり、耐久性や安全性にも優れている。中国のEVメーカーに広く採用されているほか、米国の自動車メーカーも関心を示し始めている。
フォードは、今後発売される中型EVにLFPバッテリーを採用する予定だ。テスラもかつてLFPバッテリーを使用していたが、北米市場向けの一部車種では関税の影響で採用を中止していた。現在は、CATLとBYDからLFPバッテリーの供給を受けている。
「この技術は、内燃機関車とEVの充電時間の差を実質的に解消する」
— バーンスタイン社アナリスト(ウォールストリートジャーナルより)
今後の展望と課題
CATLの新型バッテリーは、EVの普及を加速させる重要な技術となる可能性がある。特に、充電インフラの整備が進んでいない地域や、寒冷地におけるEVの利便性向上が期待される。一方で、バッテリーのコスト削減や、さらなる充電速度の向上など、今後も技術革新が求められるだろう。