コネチカット州で医療費未払い訴訟の主役が病院から医師へ
コネチカット州ブリストル発 — コネチカット州内の多くの病院が、医療費未払い患者への過酷な回収手法が批判を浴びたことを受け、訴訟を控えるようになった。その一方で、医師、歯科医、救急搬送会社などの医療関連業者が引き続き患者を訴訟に持ち込んでいることが、コネチカット・ミラーとKFFヘルスニュースによる州の法廷記録の調査で明らかになった。
同調査によると、2024年の医療関連訴訟の80%以上が病院以外の医療機関によるもので、これはわずか5年前には病院系が全体の75%を占めていた状況から大きな転換を示している。この変化により、医療債務回収は規制の緩い領域へと移行しつつある。
病院と非病院系医療機関の違い
病院は非営利の税控除団体であるため、低所得患者への経済援助を提供する義務があり、過酷な回収活動を制限する連邦規制に従わなければならない。しかし、民間の医療グループなど病院以外の医療機関は、こうした規制の対象外となっている。
小額の請求が患者に与える深刻な影響
これらの訴訟は通常、3,000ドル未満の請求額が対象だが、患者に与える影響は計り知れない。米国では推定1億人の人々が医療債務に苦しんでおり、訴訟はその中でも最も破滅的な結果を招く要因の一つとなっている。訴訟により、賃金差し押さえ、住宅への抵当権設定、利息や裁判費用による数百ドル規模の追加負債が発生する可能性がある。また、経済的な負担が患者の必要な医療を受ける機会を奪い、医療機関への信頼を損なう要因ともなっている。
「これは本当に間違っている。医療機関が患者に対してそんなことをするなんて信じられない」
アリー・キャス=ウィルソン(看護師、36歳)
彼女は数年前に通っていた産婦人科の診療所から1,972ドルの未払いを理由に提訴された一人だ。当時、彼女は自宅のある小さなアパートから高速道路のインターチェンジ近くに住んでいた。裁判記録によると、彼女は訴訟を受けるまでその債務の存在を知らなかったという。
「医療機関が私の治療を中断させるなんて信じられなかった。受診しようとしたら、『ブラックリストに載っている』と言われた。あまりにも混乱した」と彼女は振り返る。最終的に、彼女は他の医療機関で治療を受けることを余儀なくされた。
6年間で16,000件以上の医療関連訴訟を分析
コネチカット・ミラーとKFFヘルスニュースは、2019年から2024年までの州の法廷記録を分析し、6年間で16,000件以上の医療関連訴訟を特定した。データの抽出と整理には、データ科学コンサルティング会社のJanuary Advisorsが協力した。
同期間中、コネチカット州の25,000人以上の医師・歯科医のうち、多くは患者を訴訟に持ち込まなかった。しかし、記録によると400人以上の医療機関が患者を提訴しており、その中には病院システムも含まれていた。放射線科医、麻酔科医、眼科医、足病医、アレルギー専門医、小児科医などが訴訟を起こしていた。
歯科医師や歯周病専門医などの歯科関連医療機関は、1,000件以上の患者提訴を行っており、救急搬送会社も140人以上の患者を提訴していた。例えば、ニューヘイブン近郊の医療機器会社Med-Aidは、整形外科用装具の提供を巡り患者を提訴していた。
医療債務問題の根深さと今後の課題
医療債務は米国で深刻な社会問題となっており、その解決には規制強化や支援策の拡充が求められている。病院と異なり規制が緩い非病院系医療機関による訴訟の増加は、患者保護の観点からもさらなる議論を呼ぶことになるだろう。