米国の格安航空会社スピリット航空は、2024年5月2日早朝に突如運航を停止した。同社の親会社であるSpirit Aviation Holdings, Inc.への政府による救済策が失敗に終わったことが原因だ。
同社の突然の倒産により、前日には5万5千人以上の乗客が運航されていたにもかかわらず、約1万7千人の従業員が即時解雇された。顧客は空港に取り残され、従業員は失業と同時に医療保険も失う事態に直面している。
従業員がGoFundMeで支援を募る
この混乱の中、一部の元従業員が支援を求めるためGoFundMeにキャンペーンを立ち上げている。GoFundMeで「Spirit Airlines」を検索すると、元機長、客室乗務員、地上スタッフによる寄付金募集が次々と表示される。
多くのキャンペーンでは、新たな就職先を探していることが強調されているが、それまでの間、生活を維持するための支援が必要だと訴えている。Fast CompanyはGoFundMeに対し、こうしたキャンペーンの審査プロセスについて問い合わせを行ったが、現時点で回答は得られていない。
スピリット航空が従業員に提供したものは
結論から言えば、ほとんど何もなかった。そのため、元従業員がGoFundMeに支援を求めるのは当然の流れと言える。
同社の従業員向けガイドによると、スピリット航空は従業員に対し、5月2日までの労働分に対する賃金を支払うのみで、解雇手当は一切支給しないと明記されている。また、医療、歯科、視力保険に加入していた従業員の給付も5月2日に終了した。
従業員はCOBRAを通じて5月31日まで保険を継続できるが、その際には従業員と雇用主双方の保険料を負担しなければならない。その後、60日間の猶予期間内に米国医療保険市場(Marketplace)での新たな保険加入が必要となる。
ガイドにはこの他にも、「家族が重病にかかった場合や出産を控えている場合、新しい保険に加入するまでの間、会社が経済的支援を行うか?」という質問に対し、同社の回答は「いいえ、行わない」というものだった。
報道によると、会社倒産後、スピリット航空は出張中の従業員に対し、自宅のある空港までの帰路を手配する支援は行ったという。
今後の展望
スピリット航空の倒産は、米国の航空業界に大きな波紋を広げている。同社の従業員たちは今後、新たな職を探すと同時に、生活を立て直すための支援を必要としている。GoFundMeを通じた支援は、こうした従業員たちにとって一時的な命綱となっている。