テキサスの「反ファシスト」デモが捏造テロ事件に
2020年7月4日、テキサス州アルヴァラードにある移民・関税執行局(ICE)拘置所「プレイリーランド」の前で、11人の抗議者が「騒音デモ」を実施した。参加者には中学校教師やUPSの配達員も含まれていた。一部は車にスプレーで落書きし、他の者は独立記念日の夜に花火を打ち上げた。当初は暴力行為はなかったが、警察官トーマス・グロスが現場に到着し拳銃を抜いた直後、森の中からベンジャミン・ソングが銃撃。警察官は非致命傷を負った。
この事件を受け、最終的に19人が連邦・州のさまざまな容疑で逮捕された。そのうち8人はデモに参加していなかった。2月に行われた連邦裁判では、9人が起訴され、5人が警察官や未武装の矯正職員への殺人未遂、8人がテロ支援や暴動、爆発物使用などで訴追された。ソングは殺人未遂で有罪となり、他の被告もテロ支援容疑で立件された。
デモに参加していない男性も40年の刑期の可能性
ダニエル・サンチェス・エストラーダはグリーンカード保持者だが、デモ現場にはおらず、自宅から別の場所に「反ファシスト(アンティファ)関連資料」が入った箱を運んだ容疑で起訴された。実際には、彼が運んだのは無関係のアナキスト系の雑誌であり、政府は「アンティファのテロネットワーク」と主張したが、証拠は一切なかった。
エストラーダは最大40年の刑期を求刑されている。この事件は、米国の司法システムが「アンティファ」を「公敵ナンバーワン」と位置づけ、反体制派を弾圧するために「国内テロリズム」という捏造された罪状を使い始めた象徴的な事例だ。
「国内テロリズム」という捏造された罪状
米国の法律には「国内テロリズム」という定義は存在しない。にもかかわらず、トランプ政権はこれを根拠に、反体制派を徹底的に取り締まる方針を打ち出している。政府は「アンティファのテロネットワーク」なるものをでっち上げ、関連資料の所持や支援行為をテロ支援罪として立件。正当な手続きや証拠の有無を無視した強引な捜査が横行している。
「これは、米国の司法システムが恣意的に反体制派を弾圧するための、新たな弾圧手段の誕生を示す事件だ」
——人権団体関係者のコメント
主な容疑と判決内容
- ベンジャミン・ソング:警察官への殺人未遂で有罪、テロ支援容疑でも立件
- ダニエル・サンチェス・エストラーダ:デモに不在ながら、資料運搬容疑で最大40年の刑期を求刑
- その他8人:テロ支援、暴動、爆発物使用などで起訴
米国の司法弾圧の実態
この事件は、米国における反体制派弾圧の象徴的事例となっている。政府は「アンティファ」というレッテルを貼ることで、正当な抗議活動をテロ行為に仕立て上げ、徹底的な取り締まりを進めている。しかし、実態は証拠不十分なまま強引に立件されており、米国の司法の公正さが問われている。