「デアデビル:ボーン・アゲイン」シーズン2第8話「サザンクロス」は、スーパーヒーローの決着ではなく、法廷での最後の対決で幕を閉じた。監督はイアン・B・マクドナルド、脚本はダリオ・スカーダペーンとジェシー・ウィグットウが務めた。
同作は、シーズン2全体を通してマット・マードック(チャーリー・コックス)とウィルソン・フィスク(ビンセント・ドノフリオ)の因縁が描かれてきたが、最終回ではその関係が法廷という舞台で新たな形で結実した。二人はもはや「デアデビル」と「キングピン」ではなく、弁護士のマット・マードックと市長のウィルソン・フィスクとして、法廷で対峙したのだ。
法廷という意外な舞台で描かれた因縁の決着
同作のシーズン1は、法廷や政治を主軸としたストーリーが構想されていたが、監督陣の交代により、スーパーヒーロー要素が強調される方向へとシフトした。そのため、シーズン2の前半ではマットがコスチュームを着用するシーンが少なく、フィスクも市長としての立場を離れ、次第に狂気を帯びた行動に出ていた。しかし、最終回ではその構想が見事に活かされた形となった。
フィスクは法廷の証人として、デアデビルは法廷内で超能力を披露するという、これまでのシリーズとは異なる展開が見られた。また、シーズン3でFBI捜査官だったデックス(ウィルソン・ベセラ)は、新たな敵「ブルズアイ」として登場していたが、最終回ではチャールズ氏と共に極秘任務に赴くこととなり、スーパーヴィランとしての活躍は短いものに終わった。
マットとフィスクの因縁の終焉
最終回の見どころは、マットとフィスクの最後の対決だ。二人の俳優、チャーリー・コックスとビンセント・ドノフリオは、これまでのシーズンを通してキャラクターを深化させ、互いの関係性を確立してきた。さらに、彼らはシーズン1の監督陣に対する不満を公にし、ディズニーにシリーズの方向性を変更させたと主張しており、その思い入れは強いものとなっている。
第7話では、マットが弁護士としてカレン・ペイジの弁護団に加わり、フィスクはその様子を市長室から見守っていた。そして最終回では、二人は法廷という舞台で直接対決を迎える。この展開は、単なるスーパーヒーローの決着ではなく、二人の人間としての葛藤と和解の物語として描かれている。
「サザンクロス」がもたらしたもの
「サザンクロス」は、シリーズ全体のテーマである「更生しようとするも叶わなかった二人の男」の物語を締めくくるにふさわしい内容だったと言える。特に、法廷という舞台を活かした演出は、これまでのシリーズとは一線を画すものであり、視聴者に新たな視点を提供した。
一方で、シリーズの前半で見られた法廷や政治を主軸とした構想が、後半でスーパーヒーロー要素にシフトしたことで、一貫性に欠ける部分もあった。しかし、最終回の法廷決着は、その構想を最大限に活かした形となったと言えるだろう。