ニューヨーク南部地区連邦地裁のスブラマニアン判事は12日、キャラクター版権所有会社「Those Characters from Cleveland, LLC」が「スケジュールA被告」を相手取った仮差し止め命令(TRO)申立てに関する判決で、原告の主張が不十分であると指摘した。

原告は、被告が販売する「ドントケアベア」関連商品(マリファナを連想させるイメージと組み合わせたもの)について、フェアユースや表現の自由を根拠とした抗弁が成立しないと主張。特に、米最高裁の「ジャックダニエルズ対VIPプロダクツ事件」(2023年)を引用し、商標の無断使用が商品の出所表示として機能していると指摘した。

しかし判事は、ジャックダニエルズ事件との違いを明確にした。同事件では、被告がジャックダニエルズのボトル形状を模した商品を販売していたのに対し、今回の被告商品は、原告の「ケアベア」商品と類似した外観ではなく、むしろテディベアやコーデュロイの熊、あるいは「チートスを食べ過ぎた熊」のような独自のデザインが用いられている。被告は「ケア」と「ベア」という単語をフレーズの一部として使用しているに過ぎないと判事は指摘した。

フェアユースとパロディの境界

原告は他にも、商標の無断使用がパロディや批評に該当しないと主張したが、判事はこれにも同意しなかった。原告が引用した「クリフノート対バンタム・ダブルデイ事件」(1989年)や「スース対ペンギン・ブックス事件」(1997年)、「ルイ・ヴィトン対マイ・アザー・バッグ事件」(2016年)は、いずれもパロディが対象の商標を直接的に風刺している必要性を示したものだが、判事は「被告商品は、子供向けキャラクターのマリファナ嗜好を揶揄するパロディである可能性がある」と指摘。原告が「文化的コメント」と主張する一方で、具体的な証拠は示されていないと述べた。

原告の商標侵害主張についても、判事は否定的な見解を示した。被告が「ケアベア」の商標を商品の出所表示として使用していないことから、商標侵害が成立しない可能性が高いと結論付けた。

ただし判事は、フェアユースや表現の自由の抗弁が全面的に認められるかどうかは、今後の審理を経て判断されるべきだとし、最終的な結論は見送った。

出典: Reason